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日本の財政は破綻するか?しないか?については、ずっと以前から取り沙汰されていて、

ここ最近でも、麻生財務相の「年金財源が足りないから、老後のために2000万円貯蓄せよ」との発言があり、これがまた世間をざわつかせている。

まぁこれは年金財源のことだが、とにかく国家財政全般に関して、僕らはあいも変わらず振り回されている。

「国の財政は破綻する?かしないか?」と問われれば、

日本の財政は破綻しない

というのが僕の見解だ。

 

預金封鎖と新円切替にある背景

日本の国家財政を云々するにあたっては、まずは、我が国の歴史に目を向ける必要がある。

真っ先に思い浮かぶのが、1946年の「預金封鎖」「新円切替」だろう。

そう。日本は、太平洋戦争の敗戦後に国家財政が一度破綻している。

当時の大日本帝国は、政府から国民までが文字通り「国家一丸」となり、死力を尽くして連合国軍と派手に戦った。

そして派手に敗れた。

「欲しがりません 勝つまでは」との標語が示すように、太平洋戦争は、日本の持てる財源・人的資源の大半を投げうつ、玉砕覚悟で国家総動員した戦争であり、

その上での敗戦だった。

当然ながら、被害額から賠償額、自国の負債まで、その事後処理(ツケ)はとてつもない額が残された。

戦費総額約7600億円

この額は当時のGDP比で33倍、国家予算に対する比率では280倍という天文学的な数字である。

返済が不可能なのは経済学者でなくともわかる。

ちなみに、今の日本の国債残高はGDP比237倍と、当時とさして変わりはない。

「たしかに、我らが大日本帝国の現在における債務は莫大だ!」

「だが、その債務の大半は日本国債である。この大戦を勝利で乗り越えれば、経済は再び持続的に成長する。」

「経済が成長すれば、財政が破綻することはない!」

と、どこぞで聞いたことあるアナウンスが、戦時中には盛ん行われていたらしい。

たしかに、当時の日本は現在と同様、借金の大半を国債乱発で賄っており、破綻の心配は差し迫ったものではなかった。

が、物資の不足からハイパーインフレが忍び寄っており、それに引きずられて金利も上昇局面にあった。

ただでさえケタ外れの国債残高だ。さらに金利が跳ね上がろうものなら、デフォルトは目に見えている。

このツケ(債務)を早急に何とかしなければ、日本国に再建はない。

まったなしの状況だ。

そこで、政府が断行したのが「預金封鎖」「新円切替」である。

 

預金封鎖で蓄財状況を徹底的にあばき出す

国民にまず勧告したのが「新円切替」だ。

当時の国民は「タンス預金」が当たり前で、政府は国民の蓄財状況を把握できていなかった。

つまり、国全体として円が一体今いくらあるのかがわからない状況だ。

敗戦のツケは極めて甚大で、これを払うには、もはや政府の努力だけでは不可能。

国民財産を犠牲に捧げなければ、この局面を乗り切ることはできない。

そのために、まずは各家庭が隠し持っている「タンス預金」を引きずり出す必要があった。

そこで政府からのアナウンスだ。

「現在お手元にあるお金は、今後使えなくなります。」

「我々日本政府は、新紙幣を発行することに決めたからです。」

「新紙幣が発行されれば、皆様のお手元にあるお金は旧紙幣扱いになります。」

「そして2週間後には、旧紙幣の流通を無くします。つまり、現在皆さまのお手元にある旧紙幣は、市場においては無価値になります。」

「ただし、今の内に銀行に預けていただければ、その分は幾らかの価値があるとみなし、相応の新紙幣へと交換させていただきましょう。」

要はデノミである。一応わかりやすく書いてみたが、実際はほぼ強制だったらしい。

 

新円切替で国民資産は露と消えた

新紙幣への交換レートが不公平なものであれ、紙くずと化すよりは交換する方がマシである。

国民はこぞってタンスから金を引きずり出し、銀行口座に放り込んだ。

次に政府が行ったのが「預金封鎖」だ。

いくらタンス預金をかき集めたところで、自由に引き出されては意味がない。

政府は銀行預金口座を封鎖した。正確にいうと、月間の引き下ろし額に「最大500円まで」という制限を設けた。

当時の500円は、現在の肌感覚でいえば、公務員の初任給に毛が生えた程度である。

次に、口座へと移った国民資産を、政府は戦費の返済や賠償へと容赦無く充てていった。

そして封鎖の2週間後には(無事)新円へと切り替わった。「財産税」との合わせ技で金持ちは資産を失い、貧乏人は何も失くさず、全てが平準化されたというわけだ。

 

仕打ちに耐える国民性が、日本を財政破綻から守っている

借金を返せなくなった時に、国は破綻する。

ギリシャが破綻したのは、諸外国への借金を返せなくなったからである。

逆にいえば、借金を返せるうちは財政破綻はないということだ。どんな形であれ、債務を履行できるうちは破綻はない。

さきほどは戦後の財政破綻と書いたが、実は、日本は財政破綻していない。

実情をみれば破綻以外の何物でもないが、対外的には、実は日本は財政破綻したことにはなっていない。

日本は債務を履行したからだ。借金を無理くりチャラにして。

債務の大半が外国からの借金で、それを踏み倒そうものなら再度の戦争ものだが、自国内からの借金であればその心配はない。

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踏み倒すのは不可能ではない。そして踏み倒せば、財政問題は一気に解決する。

日本政府は「預金封鎖」「新円切替」の強行で、自国債をチャラにした。

チャラにしたことで、対外的には財政破綻扱いは免れ、国のメンツと信用が保たれたわけである。

これと同じことが繰り返されるとは思わないが、ここで重要なのは、こうした政府の暴挙に日本国民がおとなしく従ったという事実だ。

諸外国であれば、いくら敗戦処理とはいえ国民財産が没収されるとなれば、暴動やクーデターが頻発するだろう。下手すれば国家が転覆する。

ところが日本人は、それが政府の意思であれば、どんなにフルボッコにされようが素直に従う。

どんなに無理ゲーで文句たれても、なんだかんだで必死に頑張る。

不利な状況でも、今いる場所で腐らず必死に働く。生き残る術を見出そうとする。

それは一見すれば日本人の美徳に思えるが、そんな御大層なものじゃない。

ただ単に「抗い方」を知らないだけだ。

反抗しようにも、ケンカの仕方を日本人は知らない。国民が自主的に政府と戦った経験がなければ、勝った経験もないからだ。

 

財政破綻はしないが、国民生活は悪くなる

やはり日本人は、良くも悪くも世界水準から離れているのである。

・年金支給開始が70歳に伸ばされる
・それもたぶん75歳に引き伸ばされる
・もう給料増えないから、副業でもして自分で稼げ
・年金払うの無理だから、老後資金は自前で2,000万用意しろ

と、ここまで言われても、日本人が日本人である限り、結局はそれに従う。

それが、日本人の良さであり悪さでもある。

国債残高が1,000兆円越えようが1,500兆を突破しようが、その債務が自国内で賄われている限り、日本は破綻しない。

ただし、そのしわ寄せは国民生活にくる。

でも、状況がどれほど悪くなろうが、国民は政府に抗わない。口では威勢良くても、結局はおとなしく従う。

だから、日本は財政破綻せずに存続し続ける。

経済学者の賢い頭にスッポリ抜けているポイントがここである。

そして、そのことを国はよくわかってる。

だから、(前もって準備しとけ)と最近小出しに出してきているのである。

残念ながら、日本の未来は良くない。

こうした状況・こうした国民性の中にいる僕らにできることは、まず現実は現実としてきちんと受け入れることだ。

受け入れた中で、生き残る術を探る。

むしろこの混乱を好機ととらえ、より時代に即した効果的な働き方・稼ぎ方を探る。

 

がんばるしかないのだ。

 

僕らはどこまでいっても日本人なのだから。

 

p.s

最近面白い本を読みました。

かのギリシャ危機の際、ギリシャの財務相をつとめたヤニス・バルファキス氏の著作。

資本主義社会に対する彼独自の見解や、国際金融資本(=銀行)への強い嫌悪感が綴られた、面白くて読みやすい一冊です。

この一冊を読むだけで、資本主義経済への理解がより深まることでしょう。

 

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