景気は良いのでは?
とかいわれるとそれまでなので、
・より国内消費を上げるにはどうすればいいか
・健康な血流のように、どくどくお金を回すにはどうすればいいか
と言い換えましょうか。
ということで今回は、「手っ取り早く市井の方々の所得と幸福度を上げる方法」なんてものを述べようと思います。
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テクニカルな景気対策にはあまり意味がない
好景気か不景気かといえば、現在の日本は好景気にあたりますね。名目・実質GDPは2014年以降増加し続け、企業部門も好調で設備投資も伸びています。
日本経済が上向いてきたのは、べつに日本人の努力の成果とかではありません。別にアベノミクスのおかげでもないし、日銀総裁の采配のおかげでもない。
世界経済全体が成長してきたからですよ。単にその「おこぼれ」を受けられたに過ぎない。
「公共事業への支出」だとか「賃上げ」とかの政府の財政政策には、一切意味がないと考えます。
まぁ多少の効果はあったかもしれませんが、それらが積極的に効果をもたらしてきたのか?といえば、大いに疑問符がつきますね。
まぁ「公共事業への投資(インフラ整備)」は国家運営上欠かせない主要事業なので、全てが無駄とは思いませんが、景気対策が目的であればそれは意味がないと考えます。
直接的に潤うのは「建設業者」とその「下請け」や「メーカー」であり、それ以外の波及範囲はかなり限られてますからね。
「賃上げ」なんて論外中の論外ですよ。
安倍さんはじめ政府はやたら躍起になって取り組んできましたが、正社員の基本給をたかが数千円上げることに何の意味があるのか。
賞与が1割増えた程度じゃあ家計の赤字を埋めるのがせいぜいだし、その程度で国民の消費意欲が上がるならこの世に貧しい国はないでしょうよ。
そもそも正社員の人件費を無理くり上げるってことはですよ、企業側からすれば、そのぶん「派遣社員を切る」とか「下請けに値下げを要求する」とかで支出の帳尻を合わせるだけですからね。
上げたぶん他の誰かが減る
それだけです。
ゼロサムゲームよりもタチが悪いのは、正社員の幸福度は別に上がらないけど、非正規労働者や下請け企業の幸福度は下がるということ。
計算を見直すとかで無用の労務が増えるなど、微々たるベアに見合わないほどの手間が増えるため、被雇用者側にとっても良いことは何一つありません。
人はヒマになれば金を使う
国内消費を本当に増やすのであれば、働く時間を減らすことです。景気対策として即効性のあるものとしては、もはやコレしか考えられない。
労働者を労働から遠ざけ、彼らをヒマにするのです。
残業なんて無くしてしまえばいいんですよ。そう、「残業したらペナルティ科す」くらいの思い切りが必要です。
ヒマになれば人は金を使いたがる
アフターファイブが完全フリーとなれば、世の労働者はみな心身ともに余裕が生まれます。
飲みに繰り出す連中が増えるのは想像に難くないでしょう。繁華街に繰り出して金を使わない奴はいません。
寄り道せず家帰ったとしても、「なんか時間あるし、たまには外食しよっか!?」ってな気分にもなるでしょう。
有給の取得にも躊躇が消えるとなれば、旅行に繰り出す人も増えるでしょうね。そしてその波及効果が地域経済を活性化させます。
学校通ってキャリアアップとか、空いた時間を積極的に「自己投資」に費やす人も増えることでしょう。「副業」などでより所得を増やす人も増えるかもしれない。
そうした消費の増加が「お金の血流」を良くし、それが経済を好転させる。景気が良くなれば企業業績も上がり、その結果、労働者の所得増にもつながってくるのです。
日本のGDPの大半が内需が占めているというのであれば、労働人口の8割を超えるサラリーマンをヒマにしてお金を使わせれば、上記の理由で全てが好転するんですよ。
「金を使わせる」というと聞こえは悪いですが、それはイコール「労働者の幸福度が上がる」ということでもあるので、国・企業・国民全てがウィンウィンです。
長時間労働が減らないのは、日本人特有のマインド
「働きまくりたい」という人だけが働きまくればいいのです。
働くほどに所得が増えるようなクラスタであれば、ハードワークを苦痛とも思わないだろうし、GDP的にもそのほうがいい。
でも「なるべく働きたくない」ってな人にまで、残業させてハードワークを押し付けるのは違うだろと。
そういう方には気兼ねなく速やかに定時上がりしていただく。そのような社会全体のシステム構築が必要です。
「滅私奉公」はいい加減捨て去れ
とはいえ「労働時間を減らす」というのは口で言うほど簡単ではありません。
「簡単ではない」というのは、日本社会特有の滅私奉公的精神がそれを許さないから。
「他人がラクをするのを徹底的に嫌う」というこのマインドが、「リア充にまみれたアフターファイブ」に無用の罪悪感を押し付けてくる。
まぁこうしたマインドは公務員以外は徐々に薄れているとはいえ、企業によっては未だバリバリに残っているところもあります。
ITへの無理解
日本の組織には、どんなに優れたシステムでも、難癖つけ倒して非効率なものに退化させるという「悪癖」があります。
労働時間を短縮できない最大の原因としては、この「ITに対する無理解」です。(従来のエクセルでの手作業と何が違うのか)みたいなアホなシステムを僕自身これまで何度も見てきました。
優れたシステムというのはデフォルトのまま使うのが最も効率がいいのであります。ということを、無能な上層部はまるでわかっていない。というか理解しようともしない。
これはITへの無理解が原因であり、それを素直に受け入れられないという腐れマインドが原因なのです。
マインドを叩き直せば経済が好転する
そうしたマインドが原因でIT化が遅れ、業務が非効率なままなのであれば、まずはその腐れマインドを叩き直す必要があります。
日本は国民レベルの教育水準が高いので、その気になればIT化を一気に進めることは十分に可能なはずです。IT化が進めば、タスクレベルからその管理まで全てが一気に効率化するので、労働時間は確実に減りますよ。
さすれば労働者はヒマになり市中で金を吐き出すようになる。繰り返しますが、社会の金回りが良くなれば景気も企業業績もはね上がり、結果、自身の所得も増えるという好循環が生まれるというわけですね。
僕が常々言ってる「マインドを叩き直すことがそのまま国民一人一人の幸福度に直結する」というのはこういう理屈なのであります。
ってなことを、この本⤵︎を読みながら終日考えていました。
経済の基礎が非常にわかりやすくまとまってるので、経済方面に疎い方でもとっつきやすい一冊です。「経済ってのをライトにかじってみたい」ってな方には、うってつけの教科書といえるでしょう。