ウォルト・ディズニー【DIS】を20株買います。
【DIS】のPERは現在18.27。これが若干割安だという方がいるけど、このPERほどうさんくさい指標はないわけで、現在の【DIS】がどの程度割高なのかは僕には正直よくわからない。少なくとも割安ではないのは確かでしょう。
まぁでも現在の株価がどうであれ、長期で保有する意義はあると考えています。理由は4つ。
1.圧倒的すぎるブランド力
2.消費者の忠誠度がやばい
3.高い利益率
4.ワイドすぎる参入障壁
もはや、ウォルト・ディズニーを脅かすような競合相手などいないのではないか。この企業がワイドモートであることは前々から知ってました。
これまで投資を渋ってきた理由は、コングロマリット(複合企業体)というものを僕が苦手としているからです。コングロマリットは事業セグメントを一つ一つ確認しなきゃならんからだるいんですよ。
ウォルト・ディズニーもコングロマリットの例に漏れず、構成するビジネスが多角化されておりまして、みなさん馴染み深い「映画の興行収入」などは、ウォルト・ディズニーの仮面の一つにすぎない。
構成される事業セグメントはというと、
・メディア・ネットワーク部門
・パーク&リゾート部門
・スタジオ・エンターテイメント部門
・コンシューマー・プロダクツ部門
【DIS】を知るには、この4つをくまなく見なければならないわけです。食わず嫌いというかこれまでは敬遠してきたんですが、最近気が変わりました。圧倒的な競争優位性のある企業はやっぱいいよねと。
ということで、この『ウォルト・ディズニー』という巨大企業は一体何をしているのかを、
さらっと簡潔・明瞭に
述べたいと思います。
メディア・ネットワーク部門
『ディズニー』といえば、稼ぎのメインどころは「映画の興行収入」と「テーマパークの収益」といったイメージが強いと思いますが、実は、その稼ぎのメインどころは「メディア・ネットワーク部門」だったりします。
メディア・ネットワーク部門とは簡単にいうと、テレビ事業と番組制作事業のことです。米国3大ネットワークのひとつ「ABC」がウォルト・ディズニーに所有されているのはディズニー投資家の間ではもはや常識でしょう。番組制作でいえば、有名なのがみんな知ってる「ディズニーチャンネル」ですね。
2016年のアニュアルレポートによれば、このメディア・ネットワーク部門の売上高だけでもディズニー全体の42%、営業利益に至っては全体の50%と結構な割合を占めています。
特筆すべきは「利益率の高さ」で、この部門の売上高営業利益率はなんと32%。かなり高い利益率のビジネスである、といえるでしょう。
パーク&リゾート部門
「パーク&リゾート部門」とは読んで字のごとく、みなさんおなじみディズニー・ランドのことです。その収益源は主に入場料。付随するものとしてホテル宿泊料、リゾート内での飲食代といったところでしょうか。
ちなみに東京ディズニー・ランドやディズニー・シーの経営権は、あくまで、オリエンタルランド【4661】にあります。普通のコンテンツ消費者からすれば意外かもしれませんが、ディズニー本社はライセンス許諾してるだけで、東京ディズニーランドの経営には一切タッチしていないのです。口出しはするけどね。
東京ディズニーランドにかかる巨額の施設投資も、全てオリエンタルランドが負担しております。ウォルト・ディズニー本社【DIS】のバランスシートに計上される保有資産は、あくまでアメリカのディズニーランドだけ。東京、香港、フランスなどのディズニーランドは資産計上されていません。
これがどういうことか、生々しく言いますと、ウォルト・ディズニーは、東京ディズニーランドの経営リスクを一切負わないにもかかわらず、オリエンタルランドから毎年約200億円ものロイヤルティを受け取っているということです。
ブランド力を有効活用したかなりおいしい立場にあるというわけですね。まぁこの手のビジネスモデルは米国企業ではよく見かけますけどね。
とはいえ、さすがにアメリカ本国のディズニーランドは全てウォルト・ディズニーがフル投資しているので、当然ながらバランスシート上には巨額の保有資産がのっています。
この部門の売上は全体の約30%、営業利益は全体の20%を占めています。売上高営業利益率は19%と、保有資産がクソ重たいわりには利益率は高いと思います。資産を上手く回転させているのがよくわかります。
スタジオ・エンターテイメント部門
『アナと雪の女王』や『ズートピア』などアニメーション映画や、『パイレーツオブカリビアン』などの映画を製作してるのが、このスタジオ・エンターテイメント部門です。
この部門の売上高は全体の16%、営業利益は17%です。ウォルト・ディズニー全体への貢献度はさほど高くはありませんが、むしろウォルト・ディズニー全体のブランドーメージを生み出し、他のセグメントにも売上アップを波及させる最重要部門である、といえるでしょう。グッズ展開など知的財産を扱うコンシューマー・プロダクツ部門には直で影響しますね。
売上高営業利益率は28%。かなりの高利益ビジネスですね。確か5年前までは10%に満たなかったはずですが、ここ5年の間に利益率の改善に努めてきたのでしょう。
いいと思います。
コンシューマー・プロダクツ部門
ディズニー・ストア。ツムツムとかもそうかな? 以上。
あまりに高い競争優位性
というように、『ウォルト・ディズニー』という企業は複数のビジネスの集合体であり、多角的に経営を行うコングロマリットなのであります。
ちなみに、ディズニー【DIS】の営業キャッシュフロー・マージン率が23%もあるというのは意外でした。ガンガン稼いでるのがよくわかる。
売上高、営業利益、純利益、キャッシュフロー全てにおいても近年ずっと上昇傾向にあるようです。多くの巨大企業が売上減少してる中、右肩上がりの指標なんてのは久しぶりに見た気がします。「アナ雪」や「ズートピア」など、定期的にヒット作を飛ばしているので、その相乗効果が追い風にもなってるんでしょうかね。
配当率は残念ながら、1.5%とハナクソみたいなもんです。以上が、【DIS】の超簡単な銘柄紹介です。
ディズニー【DIS】に関してもっと知りたければ、他の米国株ブロガーさんたちが気違い染みた紹介記事を書いてるので、そちらを読んでみてください。めっちゃ下にスクロールせな読み終わらんのがとてもウザいので、僕は読みませんが。
現在1株103ドル。これがどこまで割高なのかはよくわかりませんが、これほどワイドモードなビジネスであれば、今後相場が暴落するにしてもそう酷い目にあうことはないと考えています。
てなわけで【DIS】を20株、103.29ドルでポチりましたわ。

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