牛乳かけるだけでさっとすませられるシリアルって、忙しい朝には最適の食事ですね。
どうも、シリアルマニアの伴です。
シリアル大好きっ子の僕は毎朝必ずシリアルを食べてます。おそらく年間200食以上はシリアルなのではないかと。
日本人でこれほどシリアル食ってるのは、おそらく僕の他にそうはいないでしょう。
「チェリオス」というアメリカのシリアルがありまして、以前から知ってたんですけど、国内ではなかなか販売されておらず、これまで買う機会に恵まれませんでした。
先日やっとこさ入手できまして、

これが意外にもおいしかったことを報告しておきます。
最初は興味はあっただけで、正直あまり期待してなかったんですよね。
メイドインUSAと聞けば、「甘ったるくて味濃いだけの粗悪品では?」なんてイメージありますからね。
※実はメイドインCANADAでしたけど
とんでもありません。
実際食べると少々驚きました。いい意味で期待を裏切られたというか、意外にもアッサリしてて上品な味なんですよ。
ほどよい甘さで素朴な味わいです。シリアルらしいサクサク感も完璧で妙にクセになる。

あまりにも「チェリオス」が気に入ったので、その勢いでゼネラルミルズ(GIS)の株まで買ってしまいました。GISは以前から気になってた銘柄でしたし。ここ数ヶ月間でかなり下落してて値頃感も出てきましたからね。
というわけで今回は、チェリオスの魅力とゼネラル・ミルズへの投資判断をとことん述べてみようと思います。
Contents
ゼネラル・ミルズとは?
ゼネラルミルズ社(General Mills:GIS)についてご存知の方はあまりいないと思われますので、簡単に説明しておきましょう。
ゼネラルミルズはアメリカでは有名な総合食品メーカーです。取り扱う商品は、アイス・お菓子・シリアル・ヨーグルト・調味料関連などなど、結構幅広いジャンルをカバーしています。日本でいうところのグリコのような存在でしょうか。
歴史も古くアメリカ国民からは慣れ親しまれているようですね。
ゼネラルミルズの商品群
代表的なブランドとしては、
・チェリオス(シリアル)
・ヨープレイト(ヨーグルト)
・ベティ・クロッカー(調味料)
・ハーゲンダッツ
日本ではあまり商品展開されてないため知名度は低いですね。周りをみても、皆さん「ゼネラルミルズ」という名前すら知りませんからね。
実はアイスクリームのハーゲンダッツはゼネラルミルズの所有ブランドなのですが、当然ながらそれすらも知られていません。

※ハーゲンダッツ・ジャパンはゼネラルミルズが50%出資する子会社
売上の海外比率
ゼネラルミルズの売上はアメリカ国内での販売に偏っています。海外比率は26%しかありません。

アジア地域での売上は全体の6%に過ぎません。日本単独の売上となれば、さらに微々たるものになりますね。知名度低いのもうなづけます。
このように、ゼネラルミルズは海外依存度が低いビジネス形態です。それが意味するところは、ゼネラルミルズの業績はアメリカ国内での売上に左右される、ということです。
ゼネラルミルズの業績

ゼネラル・ミルズのような加工食品を扱うメーカーは「パッケージドグッズ企業」と呼ばれています。チョコレートのハーシー(HSY)、ケロッグ(K)、以前取り上げたホーメルフーズ(HRL)など、お菓子メーカーや缶詰メーカーなどは軒並みパッケージドグッズ企業ということになります。
パッケージドグッズ企業は、業績が景気の変動に左右されにくいディフェンシブな銘柄とされています。人間食べなきゃ生きてけませんからね。人がいればそのぶん売れるというわけです。景気云々以前に需要があるんですよ。
上記グラフはゼネラルミルズの売上高の推移ですが、あのリーマンショックの影響をまるで受けてないのは要注目です。
営業キャッシュフロー
営業キャッシュフローは毎年着実に増えていることが重要です。
営業キャッシュフローとは、ある企業が商品やサービスを売ることで得た売上高から、原材料費などの支出を差引くことで得られる現金収支を指します。
営業キャッシュフローは会計的に一番ごまかしにくい数字であるため、ここが毎年増えているということは業績は好調だと考えてもいいでしょう。

上記ゼネラルミルズの営業キャッシュフローを見ると、2011年以外は、概ね上昇傾向にあると言えるのではないでしょうか。
直近2年は売上高が減少してるにもかかわらず、営業キャッシュフローがしっかり保たれているのはさすがです。
コスト削減に努めてるようだけど

ここ数年、販売費及び一般管理費が減っていますね。従業員リストラしてるウワサもありますし、コスト削減に取り組んでいるのは事実のようです。
売上減ってるぶん、人件費を削って営業キャッシュフローを保っているわけですね。
営業キャッシュフロー・マージン
営業キャッシュフロー・マージン =
(営業キャッシュフロー/売上高)× 100
営業キャッシュフロー・マージンが15%〜35%程度ある企業は、投資がうまくいく場合が多い。
ゼネラルミルズへの投資判断を下すに、ここが一番大事なポイントです。さっそく、ゼネラルミルズの営業キャッシュフロー・マージンを見てみましょう。

まぁ、ギリギリ15%を保っているのかな、というところですね。可もなく不可もない。悪くはありません。
なぜ営業キャッシュフロー・マージンが重要視されているのかというと、効率よく儲けていかどうかが一目でわかるからです。優良と言われる企業は、軒並みこの数値が高く保たれています。
たとえばGoogleであれば、毎年確実に30%は超えています。アップルであれば直近の決算(2016Q4)の営業キャッシュフロー・マージンはなんと34%ですよ。
これらの数値が何を示しているのかというと、両者とも儲かりまくりのウハウハ状態だということです。
つまり、iPhoneやMacBookの価格の30%はアップルのものになるということです。たとえば、あなたがiPhoneを9万円で買ったとすると、その内3万円がアップル本社に向かうというわけですね。まったく、驚くべき利益率です。そこらへんのIT機器メーカーが出せる数値ではありません。
ブランド商売最強ですね。
ゼネラルミルズは連続増配銘柄
ゼネラルミルズ(GIS)は連続増配銘柄です。一株あたりの配当額のグラフも作ってみました。

凄まじい右肩上がりですね。10年前に購入しておけば現在配当利回りは2倍という。これはシビれます。
現在の配当性向(配当性向 = 配当額/EPS × 100)は約78%と、まだ増配の余地は残されています。まぁ、業績次第ではEPSも上昇するので配当性向はなんとでもなります。長い目で見れば、まだまだ上がり続けると思われます。
そもそも、なんで最近売上落ちてるの?
ゼネラル・ミルズは現在7四半期連続で減収と業績は完全につまづいています。これはなぜかというと、アメリカ国民の食に対する嗜好が変化してきたからだと言われています。
ミレニアル世代
米国で、2000年代に成人あるいは社会人になる世代。1980年代から2000年代初頭までに生まれた人をいうことが多い。
このミレ二アル世代が現在のアメリカの消費を引っ張っているわけですが、この層はやたらと健康志向が強いと言われています。食事に関してもやたらとフレッシュさにこだわり、シリアルのような加工食品を好まない傾向があるようです。
昔のアメリカのホームドラマとかで、白人がシリアルに牛乳ぶっかけて貪り食ってるシーンをよく見かけましたが、あの光景は今では徐々に減っているみたいですね。
それが、ゼネラル・ミルズをはじめとする「パッケージドグッズ企業」の売上を押し下げる原因となっているようです。
企業側もアホではないし
もちろん、パッケージドグッズ企業の面々も手をこまねいているわけではありません。ミレニアル世代の嗜好に合わせて、健康面に配慮したものへとブラッシュアップしています。
ゼネラル・ミルズはシリアル製品への人口着色料・香料を完全に中止しています。
アメリカからシリアルが消えるわけがない
ミレニアル世代の嗜好の変化
↓
シリアル売れない
↓
株価暴落
なかなか悲観的なサイクルですね。
でも僕は、GISの売上減はいずれ下げ止まると考えています。パッケージドグッズに対する一定の需要は必ず残るからです。
ヘルシーさにこだわるのはいいけど、フレッシュなものなんて毎度毎度食べ続けられるわけないじゃないですか。
子供の頃から染み付いた食習慣はそうそう変えられるもんではありません。シリアルのような手軽な従来品に戻りたくなる人も多い。のではないでしょうか。
いや普通に考えて、アメリカの国民食ともいうべきシリアルがアメリカから消えるわけがありません。日本人にとってのコメみたいなもんですからね。
配当利回りも3%超えてきてるし、低迷中の今が仕込み時期なのではないかと。また下がれば買い増しすると思います。