石油は人類にとってのドラッグに等しい。
麻薬常習者は、何度も更生施設に入ろうが薬物依存の快楽を克服することは難しい。
ドラッグが身体を蝕むと同様、石油が地球環境を蝕むことはわかってる。
でも石油を捨てて現代文明の快楽を諦めるなんて、人類にとっては不可能に近い。
こんにちは、伴です。
今回のマントラ.com、私の投資先の一つをご紹介します。
世の中には『石油メジャー』と呼ばれる石油専門の巨大企業群があることをご存知しょうか?
『石油メジャー』とは、世界の原油取引の大部分の利権を掌握する企業のことです。
その経営はわかりやすい垂直統合型。
垂直統合型経営とは、
石油の探鉱から始まり、原油の採掘・生産、その輸送、石油への精製、各種石油化学製品の生産、そして販売までを一手に行う経営形態のこと。
『石油メジャー』とは石油産業においてスーパーパワーを持ち、グローバルでの取引を寡占している巨大企業群のことです。
そのメンバーは、
『エクソンモービル(XOM)』
『シェブロン(CVX)』
『ブリティッシュ・ペトロリアム(BP)』
『ロイヤル・ダッチ・シェル(RDS.A)』
『コノコ・フィリップス(COP)』
といったところでしょうか。
※()内はティッカーシンボルと言いまして、ニューヨーク証券取引所において上場企業に与えられる記号のことです。
その石油メジャーの中でも最も力を持つと言われるのが『エクソンモービル』
この『エクソンモービル』こそ、私の投資銘柄の一つです。
『エクソンモービル』って何だ? って方に少しだけ説明しますね。
エクソンモービルのルーツは古く、1870年にまで遡ります。
石油王ジョン・ロックフェラーが設立した『スタンダード・オイル』からその歴史はスタートします。
そのスタンダード・オイルは色々とありまして、やがて2つの企業へと分離するわけです。
その2つは、競合他社の吸収合併を繰り返しながらドシドシ力と規模が極大化されていきます。
その現在の姿こそが、エクソンモービルとシェブロンです。
『石油一筋150年』という非常に厚みのある歴史を持つ企業なんですね。
エクソンモービルは、数ある石油メジャーの中でもNo.1企業という位置づけになっております。
私の個人的見解になりますが、エクソンの強みとは、
・時勢を見定める先見性
・強固な財務基盤
・株主に対する利益還元の重視
にあると見ています。
時勢を見定める先見性に関しては、エクソンは他の企業よりも抜きんでています。
昨今の原油価格の暴落により、現在では石油産業全体が苦しんでますね。
(ガソリン価格が安くなるんで私たち庶民にとっては有り難いんですけど)
さすがの石油メジャーといえども、各社とも決算の下方修正を余儀なくされています。
エクソンの対応としましては、数年前から原油生産への投資は控える代わりに、下流部門といわれる石油化学製品部門への投資を増やしていました。
下流部門では製品の製造・販売が主流なので、原油の価格が安い分製造原価を低く抑えることができるため、収益は増えるんです。
他社と同様、上流部門である原油の生産・販売では大きな損失を被るも、この下流部門からの収益で多少の相殺効果が働くわけです。
この神対応、石油メジャーの中でもエクソンモービルだけです。
シェブロンなどは相殺できる収益は少なく、そんな中でも配当を払わなければならないため、銀行からの借入れが増えてる始末。
原油価格がどちらに転ぼうが収益を追求する姿勢は評価に値します。
エクソンは株主への利益還元にも重きを置いています。
定期的に株主へ支払われる配当金は、毎年着実に上げてきています。
何と、連続増配年数は33年っす。
その上、自社株買いにも積極的で、EPSの向上にもぬかりがない。
まさに、配当マシーンというべき企業。
なんせ、金額の大小はあれど、33年間も配当金を引き上げ続けてきた企業って日本じゃ皆無ですから。
エクソンモービルのようなブラボーな企業は、アメリカには結構あるんですよね。
原油価格についてですが、再び上がりますよ。
確実に。
現時点では、人類は石油を克服できるとは思えません。
エネルギーの根幹を揺さぶるようなイノベーションは、よほどの技術革新を起こさない限り有りえないと言われています。
風力発電や太陽光発電などクリーンエネルギーを追求するのも結構でしょう。
しかし、その程度のエネルギー量では現代文明を支えきれないのが現実なんです。
地球規模での人口増加はこれからも続きます。
エネルギー需要も増大していくことが予測されています。
原油価格は再び上昇に向かうことになると思います。
エクソンの株価はさらなる上昇を示していくことでしょう。