「資本主義社会は資本家と労働者の2つで構成されている」のは広く知られていますが、同時に「人は投資家か消費家のいずれかに分類される」というのはあまり認知されていないように感じます。
「金持ちになりたいか?」と問われれば当然、ほとんど方は「なりたい」と答えるでしょう。
願望をもつのは自由ですが、願望だけではお金持ちにはなれません。当然ながら金持ちになるには、金持ちになれるための根拠をつくらねばならない。
お金とは縁のない「消費家」側にいるかぎり、お金持ちになるのは到底不可能だと考えてください。金持ちを目指すのであれば、少なくとも「投資家」側に立たなければならないということは肝に命じておくべきでしょう。
しかしながら、ほとんどの方は「消費家」の域を出ることができず、「投資家」のスタートラインに立つことすらできない。結果、小金持ちにすらなれない、というのが現実であります。
何故か?
「投資家=金持ち」になるには「資質」が要るからです。投資家になるにも、スポーツ同様「向き不向き」がありまして、当然ながら「向いて」なければ投資家にはなれないのであります。
Contents
この世は投資家と消費家に2分される
まずは、ここでいう「投資家」と「消費家」の定義を述べておきましょう。
投資家
なにも株やFXを取引する人だけが「投資家」ではありません。
起業家やビジネスオーナーとて、初期投資から事業投資までリスクを負うという点で立派な投資家であります。資本家と言われる連中は皆すべからく「投資家」でもあるのです。金になるスキルを学ぶべく身銭切るというのも、自己投資という立派な投資活動であると言えるでしょう。
つまり投資家とは、自分のお金を投じてさらなるお金を生み出そうと試みる人たちのことです。
消費家
「消費家」とは、簡単にいえば、消費しかしない人たちのことです。
金持ちになれるかどうかは、「金の使い方」次第だ。
「欲しい」からといって平気で買うようでは話にならん。金を貯めるのであれば、出費は「必要なもの」に抑えるべきだ。
「iPhone X」に平気で16万も払う人は、まず金持ちになれないと思う。
— 伴 (@patoriot82) 2017年11月3日
彼らはただただ欲求に従い消費するだけ。お金の使い道には投資的な活動は一切なく、金に金を生ませるなど思い至るすらない人たちのことです。
特に、労働しか取り柄のない公務員やサラリーマンがこの「消費家」にあたるでしょう。
「社畜脳=貧乏根性」から「金持ち脳=投資脳」への切り替え
投資家への向き不向きを判断する上で、もっとも基本的かつ重要であるのが、「金持ち脳」への切り替えができるかどうかであります。
「金持ち脳」とは何か?それを詳しく知るに最適な一冊があります。
・お金持ちは日頃何を考えているのか
・お金持ちの行動基準はどこにあるのか
・お金持ちの価値観とはどういったものか
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「金持ち脳」への切り替えは、35歳がリミット
大金持ちの家庭や起業家の親の下で育った人は別として、一般的なサラリーマンや公務員家庭で育った人は「社畜脳=貧乏思考」が骨の髄まで染み付いています。
投資家を目指すにあたり、まずはこの「社畜脳」を「金持ち脳」に転換させる必要があります。
ここでいう「転換」とは、単なる「上書き」ではありません。まず、これまで培ってきた社畜的価値観を全て否定することから始まります。つまりは価値観のスクラップ&ビルド。
これは口で言うほど容易くはありません。
「あなたの価値観は全て間違っている」と言われて不快にならない人は少ないわけで、人によっては吐き気を催すほど不愉快になるでしょう。多くの方が挫折するのがここです。
どんなに耳の痛いことでも、これが厳然たる事実であると柔軟に受け入れる。これには相当な胆力が必要になります。ここで逆ギレしてしまうようでは投資家にはなれない。
まずは、この「金持ち脳へ転換」できるかどうかが、「投資家の資質」をはかる最初の試金石であるといえるでしょう。
ちなみに、「社畜脳」から「金持ち脳」への転換は35歳が限界であると一般的には言われています。
人というのは、35歳を過ぎたあたりから強烈な自己肯定モードに入る傾向にあるからです。向上心を完全になくし、オレは正しいんだとかあーだこーだ屁理屈こね始めるのが35歳あたりからです。
「(どんなに理不尽でも)お上の言うこと聞いてりゃ給料貰えるんだから、オレたちはまだマシだよ。」この手のセリフを吐くのが、まさに「社畜脳」から転換しなかった(できなかった)タイプの好例といえるでしょう。
逆に「金持ち脳」に転換済みの人は、常に「上」しか見据えておらず、そこに到達するにはどうすべきか四六時中考え、実際に行動にうつしながら試行錯誤を繰り返しているものです。「社畜脳」のように自慰に浸ってるヒマはない。
同じ社畜であっても、給料に対する両者の価値観は全く違います。「社畜脳」からすれば給料は虎の子資産ですが、「金持ち脳」からすれば単なるベーシックインカムに過ぎません。「金持ち脳」の関心は、専らそのベーシックインカムを今後どう活かすかにしか向けられていないのであります。独立できるのもこのタイプです。
どちらが優秀かは言うまでもありませんが、賢く生きられるか愚鈍に生きるかのデッドラインは35歳にあるというわけです。
投資の向き不向きは、リスクへの許容度でわかる
過度にリスクを恐れる人は、投資の資質はゼロだと考えてください。
彼らは「世の中うまい話はない」と思い込んでいます。「投資とはパチンコと同じく経済的自殺行為だ」とのわけのわからない理屈を本気で信じているため、いくら合理的な説得を試みても無駄骨に終わる場合がほとんど。
とにかく極端であるのが、投資に向かない人の特徴です。
彼らにとっては、元本割れすること自体が重大なリスクなのであります。彼らの満足のいく投資対象とは、決して元本割れすることなく含み益がのりつづける案件です。
当然ながら、そのような投資対象はありません。あるとすれば預貯金しかないわけで、その預貯金にしても100万預けても年間利息が1000円しかないという超低利率ぶり。それでも元本割れよりはマシだと考えるのが「社畜脳」の人たちです。
彼らに、いくら「リスクとリターンの関係」や「インフレリスク」を説いたところで無駄です。口では賛同しても、行動にうつすことは決してありません。
一方、投資に向いてる人は行動が迅速です。リスクとリターンを理解し可能性があると判断すれば、「とりあえずやってみよか」と軽いノリで投資できるのです。
元本割れしたとしても、いちいちギャーギャーわめいたりはしません。冷静に対処できるのが特徴です。
マネーリテラシーを磨かない奴は投資家に向いてない
とはいえ行動力に優れているだけでは、投資家の「資質」があることにはなりません。「とりあえずやってみる」は良いのですが、それで完結するのはただのバカ。
バイ&ホームワーク(buy & homework)
投資においては「何を買うか」が重要なのは言うまでもありませんが、実はそれだけでは不十分です。むしろ「買った後の検証作業」のほうがより重要であったりします。
「buy & hold」戦略が有効なのは周知の事実ですが、そもそもの投資先を間違えるとアホールドになります。それを避けるために、「buy & homework」が必要になってくるのです。
この点については、アメリカの有名投資家ジム・クレイマー氏が口を酸っぱくして語っていますね。
※ちなみにこれは廃版です。現在は中古かつプレミア価格でしか手に入りませんが、ジムクレイマー本は投資家であれば一度は目を通しておきたい良書ですね。
投資するにしても買って終わりじゃ話にならないのであります。その投資判断が「正しいのか」を、買った後も継続的に検証していかなければなりません。
リテラシーを磨かなければこうなる
世の中には、投資家だけどリテラシーゼロな人が大勢います。自信満々に投資家を自称するけれども、その実「あまり投資に向いてない」なんて人は結構いるんですよ。
僕は以前、とある「投資セミナー」に、主催者様からわざわざ誘われ(なかば義理で)出席しました。
感想としては、どこぞで聞いたことがあるようなキレイゴトばかり。実戦ではとても役に立たない内容を並べ立てたクソセミナーでした。
当初こそ「ファイナンシャルプランナーの劣化版と思えば、まぁ許せるのかな」と考えていたのですが、「これはあかんやろ!」とハッキリ認識したのは、その主催者の最終意図がわけのわからない「オプション」を募ることだとわかった時でした。
セミナーの対象者が投資未経験者なのはわかった。薄いかどうかは置いといて、出席者のゼロに等しい金融リテラシーを少しでも上げることを主眼に置いているのもわかった。
だったらなぜ!
最後が「オプション」なんだ?と。
「リスクをとるぶん、資産形成面においては有利である。」というのが、その主催者の言い分でした。いやまぁ確かにそうなんだけどさ。
それにうなづく出席者たち。
オフショア投資の方法を知りたければ、さらに2万よこせと。
真剣に悩む出席者たち。
たしかにリテラシーゼロだな。
お前たちは。
タックスヘイブン(租税回避地)に投資すれば確かに税金はかかりませんが、それはあくまで租税回避地(パナマやケイマン諸島とか)でのことです。日本から投資した場合、その資金を国内に還流させた時点で異常なく課税されます。キャピタルゲイン・インカムゲインともに、他の金融資産と同様20.315%の税金がかかります。
さらに、オフショア投資を運用するとなれば、「信託報酬」というコストが発生するでしょう。ファンドの維持費として年率1〜3%もの手数料が毎年かかります。
投資センスのない方からすれば一見たいしたことないように見えるでしょうが、長期で運用するとなればこの1〜3%の信託報酬がボディブローのように効いてくるのです。毎年3%抜かれるとか、そのへんの粗悪な投資信託と同レベですからね。
しかしながらオフショア・ファンドの中には、年間2.5%もの利回りのボーナス支給を約束するものもありますね。そこに惹かれる方も多いのでしょうが、ファンド側がそれを長年継続することが如何に難しいかは、相場と真剣に向き合ってる方であれば容易に察することができるはずです。
運用成績面においても、オフショアやヘッジファンドだからといってズバ抜けているとは限りません。そのへんのインデックスETFのほうがよほどマシである場合がほとんどでしょう。
当然ながら、セミナーではこのへんの説明は一切なく、
1.コストはゼロである
2.コストがかからないぶん、どんな投資よりも有利である
3.それに気づいたオレたちは頭が良い
という3段論法の一点張りでした。
投資においては、「それが正しいのか」の検証が極めて重要なのであります。それを怠る者は投資家としてはまず成長しません。
頭の悪い行動派ほどサムいものはないのであります。

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