穀物メジャーの中でもカーギルに次ぐシェアをもつ『アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド』
私はこの『ADM』を以前$38近辺で購入している。
現在の指標は、
株価:$42.12
PER:16.16
配当率:2.84%
売上高を見てみよう。

なんかパッとしない。
浮き沈みが激しく、最近また沈んできた感じ?
当たり前の話なんだが、穀物メジャーの業績は穀物の相場に左右されてしまう。
穀物価格は2008年頃から下落の一途をたどっている。
万全のインフラを活かし、穀物の供給を頑張れば頑張るほど価格は下落するということかな?
それに、2014年頃からの原油価格の崩壊。
コレに引きずられる形で、その他のコモディティまでもが価格崩壊してしまったからね。
コレではADMの業績が振るわないのも仕方がないだろう。
営業利益と純利益はどうだろう?

売上高に比べると、営業利益・純利益ともに小さいことがわかる。
営業利益率・純利益率ともに大体1%〜3%くらいかな。
これではまるで日本企業のように儲からない体質か?と疑いたくなる。
が、これはビジネスの特性上仕方がない。
買い付け、販売する間のマージンをとるビジネス形態のため、どうしても利幅は小さくなってしまう。
日本の商社だって、だいたい似たようなもんだ。
営業キャッシュフローはどうだろう?

これまた浮き沈みが激しく、ものすごく微妙な感じである。

営業キャッシュフローマージン率もこんなもんだ。
正直、コレでは物足りないと言わざるを得ない。
アップル(APP)などと比べると、コモディティ販売はビジネス的にはあまりおいしくないのだろうか?(当たり前だけど)
株価が低迷したまま、鳴かず飛ばずなのも頷ける話だ。
じゃあ、ADMはクソ株なのか?
いや、そう結論づけるのはまだ早い。
ADMは財務基盤に注意を払う経営をしている。
バランスシートを見ていくと、短期借入金・長期借入金ともに減少傾向にあるのがわかる。
自己資本比率も40%台をキープしており、鉄壁の財務基盤を目指してるんだろうか?
丸紅は自己資本比率20%をきってるし、日本の他の総合商社も大30%くらいだから、ここんとこは評価してもいいんじゃないかな。
まぁ、利幅の薄い事業のため、借金が増えすぎるとその利払いだけでも収益を圧迫しかねない。
たまたま今現在は世界的に低金利で、利払いの負担も大したことないだろうけど、これからどうなるかわからないし。
このへんをキチンとわきまえてるのだろう。
バランスシートの健全性を保ってくれるというのは、投資家としては安心できる要素だ。
そして、ADMにはもう一つ、誇るべきものがある。
40年間連続増配記録
いやぁ、長期投資派の私としてはこれだけでヨダレが止まらない。
40年間連続で配当額を引き上げ続けるのは並大抵のことじゃない。
まぁ、こんなふうに配当を通して投資家に報いる企業って米国では珍しくもないんだけど、ADMはその中の1つってことだ。
これが日本企業じゃ、配当額据え置きやらイキナリ減配やら、投資家をナメとる態度まる見えなんだよな。
この偉業だけでも投資候補に挙げても良いくらいだ(現に買ってるけど)
過去40年間にわたり、配当額を増やし続けてきたってことは、今後も配当金が増えていくと期待しても間違いじゃない。
そして、今後の人口増加と食糧需要の高まりが予想されるため、穀物価格が下降曲線描き続けるなんてことは長く続かないと思う。
穀物価格がハネ上がれば、ADMの業績もハネ上がるだろう。
ADMの現在のP/Lをみれば、確かに醜悪に見えるだろう。
株価が低迷している時ほど、勇気を持って投資をすれば、一生ものの見返りが得られる可能性が出てくるのだ。
ADMに関しては、今後もKeep Hold。下がれば買い増す。