最近やたらに米国株の記事を見かけます。米国株ブログって現在どれだけあるのか?ふと気になったので、「米国株 ブログ」でググってみました。すると、
出るわ出るわ!なんと数十ページにもわたる検索結果があらわれたというね。わずか数年の間にここまで米国株投資家が爆増したのは何故でしょう?
近年のアメリカの力強い景気と、それがもたらす好調な株価が人々を引きつけているのは事実でしょう。でもこの日本においては、そんなことよりもむしろ投資環境の発達によるところが大きいのではないかと考えます。
マネックス証券をはじめとしたネット証券による取扱銘柄の増加や手数料の引下げなど、米国株投資へのハードルはここ数年で確実に下がりましたからね。
投資家人口が増えれば、そのぶんブロガー人口が増えるのは当然の話でありましょう。米国株投資家などほぼ皆無だったリーマンショック後の当時と比べれば隔世の感を禁じえない。
最近はテクニカル派よりもファンダメンタル派が主流なのか、投資記事の多くは企業のビジネスや業績推移を云々したものが多いですね。バリュー投資のなんたるかを熱く語るなど、なんとも意識高い内容ばかりだ。
しかしながら残念なことに、こうした記事を読めば読むほどに虚しさしか感じられないのは僕だけでしょうか?
現在の海外投資ブログを見渡すかぎり、ほとんどの記事は独りよがりで、何処かで見たようなありふれたものばかり。有益な情報などほぼ見当たらない。
これは一体、なぜか?
その銘柄分析には意味があるのか?
考えられる理由はひとつ。
「結局、どうすりゃいいの?」という、投資家にとっては永遠とも言える疑問を解決できていないからではないでしょうか。
EPS・業績推移・連続増配年数なんかをいくら熱く語られたところで、読み手からすれば「だから何?」なんですよ。
それが分析なのかといえば、断じて違うでしょう。過去の業績を羅列するだけなら、それは単なる銘柄紹介にすぎない。紹介は分析ではありません。
そもそもビジネスや業績を深く知りたいのであれば、アニュアルレポートを熟読するのが一番の近道なのです。わざわざ劣化版のブログを参考にする必要性はないよねと。
投資初心者であれば、そうした投資ブログでも参考にはなるのでしょうが、そこそこのキャリアをもつ投資家にとってはクソの役にも立たないのが現実です。
「で!?」以外の感想が驚くほどないわけです。(バフェット太郎さんと広瀬隆雄さんは別格だけど)
濃い分析ができないのはレポートを熟読していないからだと僕は考えます。レポートを熟読できないのは言語の障壁からだとも考えています。基本的に英語スペックの低い日本人からすれば、専門用語オンパレードの決算レポートを読むのは非常にハードルが高い。最近のグーグル翻訳は精度を上げてきているとはいえ、その都度訳さなければ読めないようでは、あまりにも時間がかかりすぎる。
結果、深く知ることができない。ありふれた業績推移しか書けない。訪問者からすれば何の参考にもならない記事が量産されている、といったところでしょうか。
ファンダメンタル分析は素人がやっても意味がない
そもそもさ、
ファンダメンタルズ分析って何よ?
これに対し明確に説明できる人を僕は見たことがありません。「ウォーレン・バフェットもやってるからROEを重視しろ」とか、自己資本比率やキャッシュフローがどうのとか、教科書通りのアバウトな説明ばかり。
なんていうか、すごく雑。
僕がパッと思いつくだけでも、現在のビジネス環境、バランスシートを読み解く、ライバル社の動向、ブランド力の優位性、国の経済環境や世界経済の動向、CEOの人となりや考え方などなど結構ありますが、
それらを実際にやるとなれば気の遠くなるような時間がかかるわけです。しかも、そこまでやったとしても正解とは限らないとくれば、分析がいかに難しいかは容易にお察しいただけると思います。
というように、ファンダメンタル分析はチャート分析とは違い明確な線引きがありません。だから、人によって言うこと違うとか胡散臭さが出てしまうのではないでしょうか。
バリュー投資ってあなた、その銘柄がバリュー株である理由を語れるのか?
機関投資家であればまだしも、そこまでマニアックに掘り下げるのは個人の力ではハッキリ言って不可能です。僕自身できない。僕は現在投資先を12銘柄に絞っていますが、たった1銘柄でも分析できてるか怪しいのに12銘柄全てを掘り下げるなんてとても無理。
個人でやるならせいぜい5〜6銘柄が限度だって、確かジム・クレイマーも言ってた。
↑希少品のため、中古で¥8500とプレミアム価格になってます。
スクリーニング投資する連中がことごとく上手くいかないように、「分析するぞ!」といくら鼻息荒げたところで、素人には効果的な分析なんてできないのであります。
何度もいうけど、どこにでも転がってる情報を仕入れるだけでは分析したことにはなりません。つまり、凡百にファンダメンタル分析はできないということです。
じゃあどうすりゃいいのか?
残念ながら、その解決手法を云々することは僕にはできません。
でもその代わり、株を長期保有する上でのモチベーション維持の方法は知っています。そして、楽しみながら投資できる方法も知っている。それは、
好きな銘柄に投資すること
ライフスタイルに根ざした銘柄は、優越感とモチベーションを生み出す
iPhoneユーザーがソニーの株を買ってはいけない
広瀬隆雄さんの言葉が忘れられない。
「投資先は好き嫌いで判断するな」とおっしゃる方もいますが、僕は反対に「好きなブランドだからこそ、その株を買えよ」と言いましょう。
好きだからこそ短期的な株価下落に惑わされることなく、長期で保有することができるのです。現に僕の保有銘柄は自分の好きなブランドか、あるいはリスペクトする企業に限られております。
エクソンモービル【XOM】とウェルズ・ファーゴ【WFC】はこれまで最もレポートを読み漁った、とても思い入れの強い銘柄です。
ジョンソン&ジョンソン【JNJ】にはコンタクトレンズやバンテリンで世話になってるし、洗濯用洗剤ではP&G【PG】のアリエールと柔軟剤のレノアを日常的に使っている。
週一でマクドナルド【MCD】をほおばり、スターバックス【SBUX】で2時間ほど読書し、その決済にはアメリカン・エキスプレス【AXP】のプラチナカードを使うのが、決してやめられない僕のライフスタイルです。
ホーメルフーズ【HRL】のSPAMは大学時代からの好物だし、朝食はゼネラルミルズ【GIS】のハニーナッツチェリオでよく済ませる。そういった食料品はウォルマート【WMT】傘下の西友でEDLP(Every Day Low Price)を享受しながら買い込む。
喫煙者がこぞってフィリップ・モリス【PM】のIQOSをふかすのを横目に見ながら、将来は深刻な食糧不足に陥るとの予想から穀物メジャーの一角・アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド【ADM】を保有し、戦争は無くならないと信じてるからミサイル企業のレイセオン【RTN】を保有し続ける。
IBM【IBM】だけは最近買った銘柄です。えらく暴落してた($143)のでついつい30株ほどポチってしまった。
iPhoneやMacBookなどアップル製品にはリスペクトがあるので、【AAPL】を買うのもありだ。もっとも、今の株価じゃ高すぎて買う気にならないけど。
僕のポートフォリオには、僕自身のライフスタイルや価値観が色濃く反映されているのであります。ほとんど銘柄は、少なくとも5年以上前から保有しており、エクソンとゼネラルミルズ以外は大きな含み益をもたらしてくれている。
鼻息荒げて銘柄分析に勤しむのも結構だけれど、囚われすぎは単なる時間の無駄でしかありません。そもそもね、あなた方のシェアする内容なんてみんな知ってるし、別にあなたから聞く必要もない。
少なくとも情報発信者であれば、仕入れた材料を書き連ねるだけでは話になりません。その材料をもとに、自分はどう考察しこれからどう行動するのかまでを論理的に書くべきでしょう。でなければ、あまりに無味乾燥すぎて読めたもんじゃないよ。
PS. ここでいう「好きな銘柄」というのは、あくまで優良企業の中での話ですからね。どんなに好きでも明らかなクソ銘柄であれば、それは買うべきではありません。