身をわきまえ「欲」をかかず、
ブレることなく愚直に物事に邁進する。
これは一見美談に聞こえますが、悪く言えば、「既存のルールを盲信」し「殻に閉じこもる」ということでもあります。変化を嫌い・進化を侮る、まさに思考停止のあらわれともいえるでしょう。
いくら聞こえが良くても結果がクソなら、それはクソ念仏以外の何物でもありません。日本の今の衰退もここにあるのではないかと僕は考えます。
投資とて同じこと
従来の投資スタイルを頑なに守り「初志貫徹」するその姿勢は、傍目からは立派に映るでしょう。
が、より本質部分に目を向ければ「都合のいいルールを盲信し・殻に閉じこもり・進化を避けるだけの独りよがり」ともとれる。
頑なに投資スタイルを守ることが絶対的正義とされているのが、現在の投資界隈での風潮であります。
変化を好むことを「ダサい」と嘲る今のこの風潮。カリスマに影響されるままに影響され、その発言全てに賛同し、言われるがままに従うだけの追従者的思考。
これに僕はある種の違和感を感じてしまう。
そうした大衆心理は今も昔も普遍なのはわかる。が、普遍なのは我々のメンタルだけであって、世の経済環境や投資環境は常に「諸行無常」であることは決して忘れてはなりません。
今回は、あくまで株式投資初心者に向けた内容であります。従来の価値観で凝り固まった投資家さんは胸糞悪くなる恐れがありますので、ここで引き返すことをおすすめします。
これから投資を始めようとする方にとっては、最初のうちから柔軟な投資姿勢を身につけてもらいたい。
さまざまなことを勉強し、研鑽を重ね、局面に応じた投資法を精進してもらいたい。たった一つの手法を盲信することだけは避けてもらいたい。
Contents
インデックス投資が正しいかどうかは人による
株式投資の手法というのはいろいろありまして、
・インデックス投資
・高配当銘柄への配当再投資
・成長銘柄のスイングトレード
・ファンダメンタル(またはバリュー)投資
・テクニカル(=チャート)投資
とまぁ選ぶには困らないわけですが、どれが正しいというようなことはありません。
どれも間違ってはいない
間違ってはいないのだけど、「正しいと感じられるかどうか」は人によって異なります。
インデックス投資
インデックス投資(パッシブ投資)とは市場平均そのものに投資する手法であります。たとえば日経平均インデックスを買うということは、日経平均株価を構成する225銘柄に満遍なく投資するということですね。
何もかもが平均的に抑えられるため「値上がり益」は大して望めない。そのかわりに「リスク」も平均的に抑えられるので、堅実な運用をしたい方にとってはベストな投資手法といえるでしょう。
ちなみに僕は、このインデックス投資をボロクソ否定しています。それはパッシブ投資が僕自身にとってベストな手法とは思えないから。
が、それはあくまで僕自身にとってであり、その他大勢の方にはインデックス投資は極めて有用であることは認めています。
なにも全否定しているわけではありませんので、これまで気分を害された方にはこの場を借りてお詫びしましょう。
インデックス投資に適している人・適していない人
投資においては、儲けの度合いはリスクに応じて決まります。
インデックス投資は市場平均に投資するということであり、平均を攻めるということは、当然ながら、得られるリターンは市場平均を超えることはありません。
それは言いかえれば、インデックスに投資しても、資産を平均以上に増やすことができないということを意味します。
短期間で大きなリターンを狙うには相応のリスクをとらねばならないのは真理であり、そういう方がインデックス投資をメインに据えるというのは、そもそもの出だしから間違っているということです。
「資金は乏しいけど早くお金持ちになりたい」のであれば、相応のリスクをとる必要があります。でなければ目標を達成することは到底叶わない。
そこは卵を一つの籠に盛りまくろうぜ!?と。
これは良い悪いとか好き嫌いの問題ではありません。投資でお金持ちになるには、とにかくリスクをとること。でなければ、あなたの夢は蜃気楼のままで終わるでしょう。
ちなみに「卵を一つのカゴに盛る」意味を知りたければ、以下の記事をご参考に⤵︎
お願いですから貧乏人は貧乏人は『卵を一つのカゴに盛って』ください
かといってインデックス投資でお金持ちになれないか?というとそんなことはありません。
長期にわたり愚直に継続すれば、まぁ30年後くらいには資産は4倍強にまで膨らんでいることでしょうね。
ということは、足るを知り・欲をかかず・同じことを愚直に継続できるタイプの方にとっては、インデックス投資こそが大正解の手法ということになります。
逆に、(30年も同じこと続けるとか現実的じゃねーよ)と思う方にはインデックス投資は不適ということになります。
ちなみに僕はインデックス投資を否定する立場でありますが、それはあくまで僕自身のお金の範囲内においてのことであります。
リスクには晒せない。でも銀行預金のクソ低い利回りは嫌だ。なんて場合は迷わずインデックス投資に回してますよ。
たとえば家族のお金とかね。
嫁に「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」を積み立てさせ、たまに僕がS&P指数の【VOO】やハイテク銘柄の【QQQ】のETF2本でチョロっと補強するといったシンプルな内容ですが、
家族のお金は極端なリスクにさらすわけにはいかないので、こうしたリスクの低めの金融商品に全振りしている、というわけです。
それに金融リテラシー低めの嫁に管理させるには、これが最適の解かなと。
つまりは、インデックス投資が正しいか否かは、リスク許容度と投資リテラシーの違いによるということですね。
配当再投資戦略の是非
高配当銘柄とは文字どおり高い利回りで配当を生み出す株式のことです。
アメリカの企業は株主還元への意識が高く、特に継続的に配当を生み出すことへの執念は実にすさまじい。
中には半世紀以上も「増配」を繰り返す企業も多数存在しており、それらの優良銘柄を保有し配当を「再投資」していけば、資産は雪だるま式に増え続ける。
雪だるま式に増えたポートフォリオが、やがては規模に応じたリターンを生み出すことになると。米国株投資家の中では、特に根強い人気のある投資法です。
この理論に共感を覚える方は、ジェレミー・シーゲル教授の名著「株式投資の未来」を一読することを強くおすすめします。
高配当銘柄の落とし穴
一見「完璧」とも思えるこの理論。
が、手放しで喜ぶのは早計です。投資においては完璧などなく、もちろん配当再投資にも落とし穴はあります。
まず、高配当銘柄の多くは成熟し尽くした老舗企業だということを忘れてはいけません。いわば老犬。
たしかに30年前からこれら高配当株を保有し配当再投資し続ければ、現在は大金持ちになっているのは間違いないでしょう。
が、それは今の高配当銘柄が当時は成長段階にあったからであります。
今から30年後も相も変わらずシーゲル銘柄でいられるかは甚だ疑問なところであります。
未来永続的に存在し続け、今後もひたすら高配当を生み出してくれるのは素晴らしいことではありますが、肝心の株価の成長が伴わなければ、パフォーマンス面では確実にインデックス投資に劣るでしょう。(インデックス投資も実は配当再投資されてるというね)
逆に予想に反して、30年後はこれらの銘柄は衰退している可能性もある。未来のシーゲル銘柄は別の銘柄かもしれず、それはあなた方が今バカにしている「FANG」などのハイテク銘柄やグロース銘柄であるかもしれない。
成熟企業は成長率が劣る
結局のところ投資における最重要課題というのは、
今後も持続的に成長できるかどうか?
業績を拡大し続けられるかどうか?
株価が持続的に上がるかどうか?
なんですよ。
配当利回りが良いというのは、さして重要ではないと僕は考えます。
そもそも、ブランド力のある企業が成熟し尽くせば不要なキャッシュが生まれる=金余り状態になるのは当たり前のことなんですよ。アップル【AAPL】が配当を出したようにね。
成熟し尽くしているのであれば、成長段階のようにガツガツ投資に回す必要はなく「金余り」にも拍車がかかる。そうなれば高い配当利回りを出せるのも当たり前のことなのです。
EPSとは一株あたりの純利益、つまり企業の純利益(Net Income)を発行済の株式総数で割ったもののこと。企業利益の成長を判断する上で重要な指標の一つですが、高配当銘柄の老舗企業の多くは、ここ数年EPSの継続的な伸びが見られません。
EPSが伸びていないということは業績が横這いであることを意味しています。つまり成長が止まっているということ。
成長していないということは、肝心の株価も上がる理由が無いということを意味します。
上がるとすれば、それは良好な経済環境や高配当という後ろ盾があるからであり、機関投資家がインデックスETFなどでまとめ買いしているからです。独自の業績成長で投資家を惹きつけているわけではありません。
「世界の人口が増えれば消費が増え、消費が増えれば業績も上がり続ける」というのは、あくまで単なる希望的観測でしかなく、そうなる保証はありませんからね。
高配当に惹かれる気持ちはわかりますが、投資する理由がそれだけなのであれば、それはいわば債券投資に等しい。
僕が含み損抱えながらエクソンモービル【XOM】を保有しているのは、別に値上がり益を期待してるからではなく、あくまで同社の高い配当利回りが目当てだからにすぎない。まさしく債券投資。
成長が見込めない・高配当のみが取り柄の銘柄への投資では、市場全体の成長を満遍なくカバーするインデックス投資に敵いません。改めて考えてみれば、至極当たり前のことでありましょう。
まぁ配当は定期的に振り込まれるため、利益は目に見えるほうが良いって方には「満足感」という意味では良いのかもしれませんけどね。
とにかく高配当銘柄の再投資戦略をするのであれば、配当利回りだけで良し悪しを判断するのは不十分です。
そこに株価の持続的成長が見込まれなければ、インデックス指数に勝つのはなかなかに厳しいということだけは抑えておくべき現実でしょう。
とはいえ、もともとの資産額の多い人にとっては、配当再投資はこの上ない最強の投資法であることも事実です。
だって1億円を高配当の優良老舗銘柄にブチ込んどけば、それだけで年間200〜300万得られるんですからね。最高。
ファンダメンタル投資=バリュー投資
初心者の方が投資を勉強する際にまず目にするのが、「テクニカル分析」と「ファンダメンタル分析」あたりではないかと思いますが、巷の「ファンダメンタル分析」ほど役に立たないものはありません。
初心者の多くは、チャートを見るのが嫌だという理由でファンダメンタル分析に流れがちです。
が、これは下策の中の下策。はっきりいって時間の無駄。最初からチャート分析に傾倒できる方のほうが、儲けるという意味ではよほど理にかなってますね。
投資初心者を対象とするサイトは掃いて捨てるほどありますが、これらに書かれている「ファンダメンタル分析方法」は、正直クソの役にも立ちません。
よくあるあるの例でいえば、「PER」が20倍を越えれば割高だとか10倍なら割安だとかのウンチクがもっともらしく書かれてますが、その程度のルールで上手くいった投資家は古今東西存在しません。
「ROE」にしてもそう。いくらウォーレン・バフェットが重視してるとはいえ、「ROE」単体だけでは何の投資判断にもなりませんからね。
「将来の企業価値から逆算して、今の株価が割安か割高かを判断する」といっても、将来の企業価値を予測するなどウォール街のアナリストでも不可能ですよ。
「自己資本比率が高いから買い!」といっても、それは単なる気休めでしかなく、それだけでディフェンシブである理由にはならない。「ファンダメンタル」とググる際には、一歩引いて読むどころか9割引で読むことをおすすめします。
財務諸表が読めることが株を見分けることに繋がるかどうかは、財務諸表を完璧に読み解けない僕にはわからない。
正直微妙なところであり、「財務諸表意味ねー」みたいな批判が出てくるのもわかるんですが、安易に批判する前にまずは財務諸表をキチンと読み解き、それが「投資効率」に繋がるかどうかをキチンと検証してからの方がよろしいかと。
かといって、ファンダメンタル分析が全く役に立たないかといえばそうではありません。
※この話は長くなるので、後日改めてnoteで展開します。興味ある方は一読してくださいね。
テクニカル分析(チャート分析)
「テクニカル分析(チャート分析)」はインデックス投資家やランダムウォーカーたちからかなり侮られているように感じます。
特に効率的市場仮説を奉ずる方々からは、チャーチストは完全にアホ扱いされてますね。
彼ら曰く、「相場は常に効率的に動いており、一投資家がそれを出し抜くのは不可能である」のだから、相場を出し抜こうとしても返り討ちに合うだけだと。
だったら黙っておとなしく毎月定額を積み立てろというわけですね。
いやいや…
真剣にやったことあんのか?と。
身銭を切って検証してから言えやと。
相場というのは人間心理で左右される局面が多々あらわれるものです。そこを上手く利用すれば利益を得られるチャンスはある。チャートを学ぶ意味はありますよ。
「効率的市場仮説」というものは実際にロクに相場経験のない学者がほざいてるだけであり、彼らの肩書きに惑わされるままバカにするのは愚か者のすることです。
チャート分析を体系的に学ぶには、この一冊をおすすめしています。
アメリカが誇る大物トレーダーの一人、ジョン・マーフィーの名著であります。
ちなみに「先物市場の…」とありますが、ここに書かれている手法は普遍的に有用なものであり、株式でもFXでも活かせます。
実は僕3月ほど前からコソコソFXやってまして、以前はクソミソにやられてたのが、最近は少しずつではありますがコツコツ稼げるようになりました。
日々ケチくさく昼飯代を稼いでる(¥1,000〜¥2,000)わけですよ。
というのも、この本の影響があってのことだというのは否めません。