ビットコインはじめ、仮想通貨界隈が盛り上がってますね。
上記のチャートはビットコイン価格の推移ですが、ご覧のとおりトンデモない値上がり率です。
2017年に入ってからは特に凄まじい。それ以前から保有し続けている人は大きな利益を手にしていることでしょう。
そういったロマンに惹かれてか、
「ひょっとしたら、今後の主要通貨になるのでは?」
「将来的には、とてつもなく値上がりしてるかもしれない。」
といった期待を抱く方は少なくないはずです。
投資においては保守的なスタンスの僕ですが、最近、少量ながらもビットコインを買いました。
保有数は、現在2.5BTC
購入に踏み切ったのは、仮想通貨のメリット・デメリットを自分なりに見極めることができたからです。結果、総資産の5%以内であれば買ってもいいかなと。
今回は、僕がビットコインについて精査した内容を、アウトプットがてらにシェアさせていただきます。
これから仮想通貨やってみたい、なんて方に参考にしていただければ幸いです。
Contents
仮想通貨のリスクとは、ボラティリティ(価格変動)の大きさではない
下記のグラフは、2017年1月から7月までの価格変動をあらわしたものです⤵︎
すごいよね。わずか半年の間に3倍まで跳ね上がるとは。この値上がり率だけでも、ついつい投資したくなるってもんです。
ここで気をつけてもらいたいのがリスク面です。短期間に3倍まで跳ね上がったということは、ここから1/3に下落する可能性だって同様にあるということ。現に、7月中には3,000円から1,900円と30%強も下落していますからね。
しかしながら、ビットコインの本当のリスクとは価格変動面ではないんですよ。そこに潜む最大のリスクは、もっと根深いところにあります。
そのリスクが何かを説明する前に、まずはビットコインというものをサラッと理解していただきたい。
既存通貨と仮想通貨の違いとは
ビットコインの一体何が、こうも人々を魅了するのでしょうか。
便利だから?
違います。ビットコインは現状では全くといっていいほど使い物になりません。
ビットコイン決済の導入店舗は徐々に増えてるようですが、既存通貨と比べるとまだまだ話にならない。利便性という面では既存通貨に全く及ばない、というのが現状です。
じゃあ、ビットコインの一体どこに、人々は熱狂しているのか?
それは可能性でしょう。仮想通貨の醸し出す可能性が人々を魅了し、且つ若者世代にどうしようもなくワンチャンへの期待を抱かせているのです。
ではなぜ、この仮想通貨がこうも人々を熱狂させるのか。こうも大きな可能性を感じさせるのか。
それは、仮想通貨というものが極めて民主的で公平な通貨だ(と考えられている)からです。従来の通貨では考えられなかった「民主的」な要素が人々の関心を集めているのです。開放的でクリーンなイメージが、多くの人々を熱狂させ期待を抱かせているのかもしれない。
詳しく説明させてください。
通貨というものは通常、その国の中央銀行に発行権があります。発行権が中央銀行にあるということは、国家が独自の都合で刷りまくることができる、ということです。
リーマンショック直後のFRBによる「ヘリコプターマネー」や、日銀による「黒田バズーカ」などが分かりやすい例ですね。
これらが示すとおり、国家というものは己の都合次第で、いとも簡単に輪転機を回すことができるのです。当然ながら、紙幣を刷りまくれば、そのぶん価値は薄まっていく。
通貨の価値というものは、発行元の都合次第で大いにコントロール可能なのです。
僕らはそれに対し文句を言えないし、嫌でも受け入れざるを得ない。というのが、これまでの常識でした。
一方で、ビットコインなどの仮想通貨は、いかなる国や組織であろうが勝手にコントロールすることはできません。何者からも勝手な都合で増刷されないよう、最初からプログラムされているのです。
じゃあ、ビットコインは現状維持のままなのかと。全く刷られないのかというと、そうではありません。日々少しずつ増えています。少しづつね。
ビットコインはマイニング(合意形成)と呼ばれる計算技術によって、新たなコインが日々生み出されています。よく引き合いに出されるのが「ゴールド」でしょうか。そう、まるで鉱山から金(ゴールド)が採掘(マイニング)されるように、ビットコインも日々少しづつ発掘されている。
ただ、ゴールドと大きく違う点は、新たにコインが生み出されるペースや分量は全てプログラムで決められているという点です。現在であれば、10分ごとに25BTCというペースで世界中のマイナー達によって採掘されているらしい。
しかもその採掘量は明確に定められており、発掘量は4年ごとに半減していくようプログラムされています。つまり、ビットコインは4年おきに倍々ゲームで採掘しにくくなる、ということです。
ちなみに、ビットコインの総量には上限が決められておりまして、
2100万BTC
それ以上は増やすことができないよう、これまたプログラムされております。従来通貨のように無尽蔵に刷られるわけではない、ということですね。
ということは、上限に逹する時期までをも概ね決められているということになりますね。現在のペースでマイニングが進んだと仮定すれば、上限に達するのは2140年頃だと言われてます。
それまでは、少量ずつの新たなビットコインが日々、世界中のマイナー達の手によって採掘されているというわけです。
僕が何を言いたいのか。そのポイントをまとめておきましょう。
1.仮想通貨は、何者にも「通貨の発行量」をコントロールできない
2.むやみやたらに刷られないぶん、仮想通貨の純粋価値は100%市場原理で決められる
以上この2点だけでも、従来通貨とは大きく違っていことがお分かりいただけると思います。
『ブロックチェーン・テクノロジー』が革新的と言われる理由
ビットコインやアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)は、なにも仮想通貨だからという理由だけで賞賛されているわけではありません。
仮想通貨であれば、nanacoやdポイントなどの電子マネーとて立派な仮想通貨だと言えなくもないでしょう。
ただ仮想通貨という理由でもてはやされるのであれば、これらの電子マネーとてビットコイン同様賞賛されてもおかしくないはずです。
ではなぜ、電子マネーは騒がれないのか。ビットコインやアルトコインだけが仮想通貨とみなされ、世界中から賞賛されるのでしょうか。
それは、『ブロックチェーン・テクノロジー』にあります。
『ブロックチェーン』こそビットコインの根幹となる要素で、これなくば成り立たないと言われるほど、仮想通貨最大の特徴であります。
ここで、ブロックチェーンについて少し説明しておきましょう。
まず、従来のトランザクション(取引)においては当事者の間には必ず『元締め』が存在します。
ブロックチェーンとは、簡単に言えば、この『元締め』を完全になくしてしまう仕組みのことであります。つまり、銀行のサーバーなど既存の『元締め』を介すことなく、取引の当事者同士だけで取引を完結できる仕組みのことです。
では、『元締め』を介さないということに、僕らに一体どんなメリットがあるのか?
最大のメリットとしてはコスト面だと言われています。元締めを介す必要がないのであれば当然、彼らに支払う手数料もなくなる、というわけですね。
たとえば、日本に住む僕がブラジルに住む友人に送金するとしましょう。これまでであれば送金するには銀行を介さなければならず、銀行を介するということは、銀行に結構な手数料を払わなければなりませんでした。
つまり、既存のシステムでは、ただ遠方の友人にお金を送るだけで、僕は銀行に高いフィーを払う必要があったわけです。
買い物にしてもそう。
たとえばアマゾンで買い物をするとしましょう。ネット上でモノやサービスを買うにはクレジット決済が必要になりますよね。ここでも、売り手と買い手の間にはクレジットカード会社という「元締め」が介在しています。
取引成立後は、売り手側は売上の中からいくらかのフィーを、元締めであるクレジット会社に支払わなければなりません。
というように、従来のシステムでは送金するにも買い物をするにも、『元締め』に対して手数料を払わなければならない。これが、「中央集権的」であると言われる所以です。
では、そのトランザクションにビットコインを使えばどうでしょうか。
ブロックチェーンというプラットフォームを使えば、『元締め』を介する必要は一切なくなります。相手方の暗号やQRコードがわかれば簡単に送金できてしまうからです。
当然ながらそこに手数料などかからない。相手に対してお金(ビットコイン)を送るという行為があるだけです。
「ブロックチェーン」がエレガントなほどに画期的であり、非中央集権的であると世界中から注目を浴び騒がれているのが、まさにこの点なのです。
確かに、ブロックチェーンは美しいのだけど…
元締めを介さなくて済む
こんなことができてしまえば、既存の銀行やVISAをはじめとするクレジット各社はビジネスが成り立たなくなってしまいますよ。このまま仮想通貨が取引のメインに食い込めば、廃れてしまうのは目に見えている。
ところが、現状はそうはなっていません。そして、今後もそんな極端なことにはならないでしょう。
僕がそう考えるのには理由があります。
ブロックチェーンには課題が山積み
一見すれば、ブロックチェーン技術は民主的でとても美しいシステムなんですが、仮想通貨が決済通貨として通用するかといえば、現時点ではNOです。
このまま決済通貨としてすんなり受け入れられるとは、とても思えない。
というのは、ブロックチェーンにはある致命的な欠陥があるからです。
その欠陥とは、取引のスピードです。
ビットコインは決済するのに、とにかくもたつくんですよ。従来のサーバー取引なら一瞬で済むような取引でも、ビットコインだと数分かかってしまいます。
なぜ、こうももたつくのか?
複数の取引をかき集めて1ブロックとして処理するからだとか、その1ブロックにしても取引数は約2000件しかないだとか、いろいろ言われてますが、
要は、取引数に応じた容量が全然足りていないのではないかと。容量が足りなければスピードも遅いのは当たり前でしょう。
「オープンソースなんだから、そのへん上手くチャチャッと仕様変更すればいいじゃないか。」と思うでしょうが、事はそう単純ではないようです。
まずブロックチェーンの前提として、中央集権的なサーバーを排除する代わりに、世界中のPC同士が繋がることで成り立っているという点があります。PC同士が繋がり合うことで、取引履歴など様々なデータをお互い補完しあっているのです。
なので、仕様を変更するのであれば世界中のPCも仕様に見合ったものに合わせる必要が生じます。この問題は容易に解決できるとは思えない。
仮に、それに成功したとしましょう。
今度はコスト面において問題が出てきます。1ブロックあたりの取引量を増やせば、当然ながら、そのぶん通信量も増えてしまうのです。そうなれば、手数料以上にコスト面がかさむかもしれません。これでは、中央集権的だの手数料だの云々以前のハナシになってしまう。
これこそが、現時点でのブロックチェーン最大の課題なのです。
つまり、今のままではビットコインは使い物にならないということ。ボラティリティが高く相場が安定しないという面からも、決済通貨としての使用は難しい。
これがビットコインをはじめとする仮想通貨の現状です。クリアすべき課題はあまりにも大きすぎる。
投資対象するなら、リスク面を丸裸にしよう
ここまで読まれた方の中には、「ロクなもんじゃないな」と思われた方もいることでしょう。
が、僕の目的は何もビットコインをディスることではありません。
ただ、買うのであればリスク面にもキチンと目を向けて欲しいのです。流行ってるからといって無闇に飛びつくのではなく、リスク面もキチンと把握しておかなければなりません。でなければ、どんな投資であれ正しく付き合うことなどできはしない。
と、僕は思うのです。
それでも、ビットコインには投資対象としての魅力と価値は十分にあると感じています。
ビットコインに投資をお考えなのであれば、最低限、取引所のアカウントくらいは作っておきましょう。
使いやすさを考えた上で、僕は『bitflyer』を推奨しています。ビットコイン投資には、これ一択で問題ありません。
ちなみに「coincheck」は信頼性やセキュリティ面が脆弱すぎるので、やめといたほうがいいかも。
