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イギリスのEU離脱と『ユニオンジャックの矢』

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2016年6月16日 英国労働党下院の『ジョー・コックス』という女性議員が殺害された。

彼女はEU残留を主張していたため、EU離脱を支持する人々から目障りな人物とみなされたのだろう。
過激派の暴漢により、殴られた上に拳銃2発を撃ち込まれたという。

 

イギリスは現在、EU離脱か残留かの選択で世論が真っ二つに分かれ混迷している。

 

殺害されたコックス議員をはじめとした残留派の主張とは、経済的なものだ。

それは、自国の産業がEU圏内での競争力や国際競争力を失うことへのデメリットを懸念したもの。

 

離脱派の主張とは、これまでのEUが掲げる移民受入強制への反発だ。

英国はこれまで寛容過ぎたために、性質の悪い移民の激増により自国民の生活の安全面が脅かされている。さらには英国固有の文化までもが失われつつある。というわけだ。

 

現在は、どちらへ転んでもおかしくない予断を許さぬ状況だ。

 

もし、イギリスがEU離脱を選択するとすれば、それはEUにとっては「崩壊への序曲」というイメージを世界に植え付けることとなり、決して受け入れられるものではない。

イギリスにとっても、その経済的損失は巨大であり、一時的な政治・経済的混乱は免れない。

EU諸国とイギリスとの間では現在、水面下においてトップクラスのブレーン同士の交渉が飛び交っていることだろう。

 

 

『ユニオンジャックの矢』


たとえEUを離脱したとしても、一時的な混乱を招くだろうが、英国は世界の強国として存続し得るだろう。

もちろん一時的に経済は後退するだろうが、英国は時間とともにそれを乗り越えられるだけの足腰の強さを持っている。

あまり日本では知られていないが、英国は独自の世界的な経済圏を持っているからだ。

 

それは旧英連邦とも呼ばれ、自らが盟主にも等しい位置づけの強力なネットワークだ。

 

そのネットワークとは、イギリス、中東アラブ、インド、東南アジア、オーストラリアの各都市の繋がりで形成されるものだ。

 

・世界有数の金融センター『ロンドン』

・中東有数の金融センター『ドバイ』

・インドの『バンガロール』

・アジア経済圏の要衝『シンガポール』

・巨大都市シドニー

 

世界地図上で、これらの都市を線で結んでみるといい。

一本の直線が引けることに気づくだろう。

 

これは、

『ユニオンジャックの矢』

と呼ばれている。

 

ドバイ、バンガロール、シンガポール、シドニー。

これらの都市をみればわかるが、現在のグローバル化した世界において、非常に重要な経済都市ばかりだ。

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アラブ首長国連邦(UAE)のドバイは、中東・北アフリカ市場の玄関口として注目の都市だ。

石油依存から脱却し、欧州・中東・アジアの中心都市への成長、という明確なビジョンの元に運営が進められている。
その意気込みは本物で、経済特区を作り上げ税制面での優遇を用意し、人を惹きつけるインフラの整備を進め、現に外国からも人・モノ・金が集まったおかげでUAEのGDPは大幅に増えている。

 

バンガロールはインド第3位の都市。

インドの経済力は将来的に中国を抜き去るとも言われており、バンガロールも例にもれず発展が約束されたような都市である。
そしてIT都市でもあり「インドのシリコンバレー」とも呼ばれ、欧米の起業家から注目されているIT・経済都市である。

 

シンガポールは言わずと知れたアジア経済圏の要衝だ。

他の先進都市と同じく、経済特区や税制面での優遇が完備され、当然外国から人・テクノロジー・資本を集める強力な都市国家だ。
もともと有力な華僑が集まっていたという利点から、中華経済圏からの情報や資本が集まりやすく、現にイギリスは中国の情報を他国よりも詳細に把握しているらしい。

 

シドニーはオーストラリアの巨大都市。
オーストラリアという国は中国の景気に左右されがちだと思われがちだが、その発展はオセアニア区域でも著しく、日本などの比ではない。

 

このような世界経済の要衝ともいえる都市をことごとくネットワークに組み込み国益に活用しているのが、イギリスという国なのだ。

これらの国々は、かつての大英帝国時代にはイギリスの植民地であったが、現在においてもそのつながりは保たれている。

 

むしろ、お互いがお互いを必要とする良好な関係である。

 

主に旧英連邦内の国々で、4年おきに開催される『コモンウェルス・ゲーム』という総合競技大会があるが、オリンピックにも劣らないほどの盛り上がりを見せていることからも伺える。

 

極東アジアとは大違いだと思わないだろうか。

 

東京こそがアジア有数の経済都市だなどと思っている日本人は多いとは思うが、実際はそうでもない。

確かに東京都のGDPは世界でも巨大だが、くだらない規制にまみれており、名ばかりの経済特区で税制面の優遇も大したことない。

当然、外国からの人・モノ・金は、それなりにしか集まらない。

挙句の果てには 『舛添要一』 などという愚物に都の運営を託すという衆愚政治を極めている。

 

イギリスなんて現在は欧州の中の一国に過ぎない。
その程度の認識しか持っていないのは日本人だけなのかもしれない。

 

イギリスというアングロサクソンの国は、歴史的にみても非常に賢く抜け目のない国だ。

 

EUからの離脱という意見が国を二分するほど出ているということは、その程度の経済的損失など痛くも痒くもないという自負の表れなのかもしれない。

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  1. 2016年 6月 28日

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