ファンダメンタルズ

石油依存と電気自動車のシュールな現実|エクソン【XOM】への投資スタンスは不変でOK

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エクソンモービル【XOM】が派手に下落してますね。

昨今の原油価格の回復を受け、株価も徐々に持ち直しつつあったエクソンですが、2月以降は一転して大幅な下げに転じています。

理由は、

2017年4Qの決算を大コケしたから。

「原油価格の回復」と「アメリカの税制改革」の追い風で、同社の業績も利益も大幅に改善されるだろうと市場は期待していたんですけど、残念ながら、期待はあえなく撃沈。

出された数字はアナリスト予想を大幅に下回るというゴミのような決算内容でした。

エクソンモービルは、こぼしてはならない決算を大コケしたのであります。しかも、よりにもよってこのクソ微妙な時期にね。

デカすぎた期待の反動か、それとも感情的に投げ売られているのかはわかりませんが、とにかく今回の下落圧力は強烈です。

株価は1月末の直近高値$89.07から、今や$74.5616%もの下落は暴落と言っていいでしょう。

 

と、他人ごとのように述べてますが、僕自身もかなりのダメージを負ってます。ポートフォリオの約23%をエクソン【XOM】が占めてるんだから、投資成績はズタズタに決まってますよ。

そういや先日、「心中お察しします!」ってな内容のメッセージを頂きました。送り主は、さぞかし僕が落胆していると思ったに違いない。

別に落胆はしてません。

まぁ心は健全とは言い難い状態ですが、それはあくまで他のことが要因であって、エクソンのせいではない。

下落したからといってエクソン手放すつもりはサラサラないし、「エクソン保有し続けよ」というこれまでのスタンスも不変です。

というわけで今回は、エクソンモービル【XOM】に対する僕の投資スタンスを語ってみようと思います。

 

化石燃料の需要見通し

エクソンモービルなど石油メジャーへの投資を語るには、「原油価格の動向」とその「将来的な需要の見通し」だけは絶対に外せません。業績の分析なんてのは二の次。というか意味なし。

まずは下の図を見てほしい。⤵︎

参照元:国際エネルギー動向

ご存知のとおり、現在の世界の総エネルギー消費量の中で最も多くを占めているのが従来の「化石燃料」であります。

1位 石油(32.9%)
2位 石炭(29.2%)
3位 天然ガス(23.8%)

※2015年のデータですが現在もそんな変わってないと思います。

これだけで世界の総消費量の8割強も占められているというね。環境破壊が止まらんのも当たり前かと。

んで環境破壊を止めるべく、化石燃料へのアンチテーゼとして期待されている「再生可能エネルギー」なわけですが、残念ながら、こちらは10%程度でしかありません。

そして石油の消費先で最も多いのが「輸送用機器」ね。⤵︎

参照元:国際エネルギー動向

「輸送用」とはザックリいえば空輸・海運・陸運のこと。つまり、石油の総消費量のうち65%が飛行機・船舶・自動車で消費されているというわけです。

石油消費量が右肩上がりで伸びているのは、世界的な人口の増加と中国やインドなどの経済成長により「輸送」が増えたから。

というように、化石燃料の消費しすぎで地球の二酸化炭素が爆増したことによって、地球規模で気候が不安定化してきている。というのが今の世界のコンセンサスです。

 

このままじゃアカン

 

ってことで、従来のエンジン車に変わるものとして現在期待されているのが「電気自動車」であります。

フランスやイギリスで、「2040年には国内の自動車をすべて電気自動車にする」との政策が上げられたのは記憶に新しいことでしょう。オランダやノルウェーにも似たような動きがあるようですね。

主要先進各国がこうした発言をしたとなれば、

従来の化石燃料は今後徐々にオワコン化していくんじゃね?

であれば、石油セクターに投資するなんてのはアホの極みじゃね?

と考えてしまう方も多いでしょう。が、これは「ファスト思考」で片付けていい問題ではありません。

「ファスト思考」の弊害に関しては、こちらの書籍⤵︎にこれでもかというくらい書かれてます。

 

 

フランスやイギリスなどの大国が大胆な発言してるのは、自国の自動車産業が大したことないからですよ。大したことないからこそ、それを逆手にとって好き放題言えるのです。

プジョーなどのPSAグループやルノーの売り上げなんてのは、両者合わせてもホンダ1社にも及びませんからね。そもそもイギリスなんて今車つくってないだろと。

自国経済に大した影響がないから、んな大胆な政策をブチ上げられるのです。たとえ、それによって車の販売に支障きたそうとも、そもそも車産業において負け犬たる両国にはカンケーないからね。

一方、フォルクスワーゲンやダイムラーを抱えるドイツは慎重です。同国でも、2030年にはエンジン車の販売禁止なんてのも取りざたされていますが、あれはあくまで議会が政府に「要望」してるって段階ね。「政策」としてブチあげてるフランスやイギリスとはスタンスが全く違います。

シェールガス売りたいアメリカなんて、ハナから車のEV化に無関心ですよ。日本なんて言わずもがなでしょう。

 

『化石燃料は今後も主要エネルギーであり続ける。』

『2040年になってもの消費量は、そんなに変わらない。』

というのが僕の見解です。その根拠を順を追って説明していきましょう。

 

電気自動車はエンジン車の代わりにならない

電気自動車をマジョリティにしたいのであれば、当然ながら、エンジン車と同等のインフラを用意せねばなりません。

少し脱線しますが、ここからは、電気自動車がメインにはならない理由を述べていきます。

 

充電時間が長過ぎる

まぁ充電ステーションの数は問題ないとしましょうか。車数が増えたぶん充実させれば良さげなハナシですし、日産リーフの急速充電施設なんかも現時点で7,000機を超えてますからね。

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となれば、次に問題になるのが充電時間の長さです。

今の新型リーフで、40分で80%充電でしたっけ?「買い物の合間に充電しましょ!」ってのがセールストークみたいですが、はっきりいって時間かかりすぎでしょ。

もし電気自動車がアホみたいに増えたら、いくら充電ステーションを拡大したとしても、連休の帰省ラッシュとかに対応できるのかと。電気自動車の特性上、おそらく無理ではないかと考えます。

まぁこの件に関しては、120kWや350kWといった高出力の充電ステーションの規格や設置が検討されてるようで、そのクラスの充電施設であれば「充電時間5分」も夢ではないとのこと。

そういうんだからそうなんでしょうな。

でもそうなればそうなったで、次は、そんな高出力施設をそのへんの業者がやっていいのか?って問題も出てくるようです。クリアすべき課題はあまりに多い。

 

コスト面での問題

しかも、そこまでの電力の高出力化となれば、バッテリーの寿命も早くなるとのこと。

無視できないのがバッテリーのコストね。「EV車の大量普及」となれば、車体価格を低く抑えなければなりません。そのためにはバッテリーをいかに低価格に抑えるかが重要になります。

バッテリーの原料はリチウムとコバルトですが、「EV車の大量普及」にともない価格は高騰していくと考えられております。

ガソリン車に対し、価格競争面で優位に立てる保証がないというのは、普及させる上ではシビアな現実といえるでしょう。

 

シェアリングエコノミーにすれば?

あえて車を持たないって手もありますね。

UBERのシェアリングエコノミーと電気自動車を合体させて促進させれば?とも考えてみましたが、いろんな意味で即「却下」というのが僕の結論です。

 

原油と天然ガスは今後も「主流」であり続ける

僕は別に電気自動車を否定するつもりはありませんし、個人的にはすごく興味あります。でも、従来のエンジン車を電気自動車に置き換えるのは正直無理だと思うのですよ。

電気自動車が主流になったとして、そもそも、その電力どっからもってくるんだ?と。世界規模で原発つくりまくるのか?と。

仮になんとか課題をクリアし、地上の大半の自動車をEV化したとしましょう。でも、それはあくまで陸までのハナシにすぎない。

まだ空輸と海運が残ってますよ。莫大な燃費のかかる飛行機や船舶をEV化するのは、今の科学技術じゃ到底無理でしょう。

しかも世界の経済成長率は約3%。それに従い世界のエネルギー需要も今後もどんどん膨れ上がり、空輸と海運もどんどん増えていくことが予想されます。

石油の需要抑えられんのか?と。

石油が人類にとってやめられないドラッグであるというのはこういうわけで、現状から化石燃料の消費量を減らすってのはとにかくハードルが高いのです。

石油依存を減らすということは、従来の経済成長を諦めるのと同義であります。経済成長を棒にふってまで地球環境を考えられる国が一体どこにあるというのか。

現代文明が「石油依存」を前提として成り立つものである以上、石油依存を減らして経済成長を享受するなんて虫のいい手段はなく、やるとすれば数十年単位でゆっくり時間をかけながら徐々にフェードアウトしていくしかないのであります。

ヘタをすれば原油が枯渇するまで無理かもしれない。

 

【XOM】は狼狽売りする銘柄ではない

エクソンモービルという企業は、「エネルギー需給に関する研究機関」を自前で備えておりまして、その研究機関が発表した、

ExxonMobil Releases Energy & Carbon Summary and Outlook for Energy
 

において、今後のエネルギー需要の見通しに関してとても興味深い分析がなされています。

これによれば、世界の総エネルギー需要は年間約0.5%増加していくとのこと。

・石油需要は年間約0.4%減少
・天然ガスの需要は年間約0.9%増加
・石炭需要は年間約2.4%減少
・再生可能エネルギー需要は年間約4.5%増加

天然ガス需要は2040年までに4450億立方フィート/日に増加すると推定され、石油需要は2040年には1日当たり7800万バレルに減少する(現在で約9,500/日)と推定されるそうです。

石油消費量は減少していくにしても、2040年の段階では、いまだ世界のエネルギーミックスにおいて主導的役割を果たすとのこと。

ちなみに天然ガス、再生可能エネルギー、原子力などの低排出ガス燃料に向けてシフトしていることを考慮しても、世界の二酸化炭素排出量は2040年には2016年を約10%上回る可能性があるそうです。

 

「われわれの詳細な分析によれば、2040年までに全世界の車両が完全に電気であったとしても、ガソリンの需要は2013年の水準と同様になる可能性がある。

これは、商業輸送と化学部門の需要が高まっているためだ。」

 

ちなみに、エクソンモービルの抱える研究機関は公平さを旨とし、あくまで客観的事実に基づいて分析が進められています。決してエクソン側のポジショントークではありません。

つまり、巷で言われる「化石燃料=オワコン」論は間違っているということです。

今後少なくとも20年以上は石油需要が続くのであれば、石油メジャーの筆頭であるエクソンモービル【XOM】への投資は問題ないと僕は考えます。

 

まぁ確かに石油セクターのビジネスなんてのはコモディティ・ビジネスですよ。バフェット信者の大好きな「経済的な壕」ってのもありません。

でも、今後も原油や天然ガスの需要が続くのであれば、それは石油産業における世界No.1企業たるエクソンモービルも存続し続けると考えるのは極めて自然な考えでありましょう。

今後も存続するのであれば、そのままエクソン株を保有しとけば、今後もずっと配当を受け取り続けることができるということです。

ちなみにエクソンモービル【XOM】に関しては、キャピタルゲインを追う銘柄ではないと考えます。業績と株価は原油価格にモロ左右されるため、業績分析や指標分析は意味をなしません。

原油価格の動向なんて誰もわからないでしょ?

債券銘柄とまでは言いませんが、あくまで利回りの良い「金融商品」というスタンスで割り切って臨むのがベストだと考えます。

エクソンモービルのことをもっとよく知りたければ、この本がおすすめです。⤵︎ ガチのエクソン・ホルダーはたぶん皆読んでると思われますが、まだ読んでない方はどうぞ。

まあまあのボリュームがあるので、読むの苦手な方は手を出さないとほうがいいかも。

 

 

 

PS: 創業家のロックフェラー一族がエクソン株を全株売っぱらったから、エクソンも今後ヤバいとかは、

ねーからな!?

 

 

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