靴愛好家にとっての靴手入れとは、単なる作業を超えた「憩い」ともいうべきひとときなのかもしれない。
週に一度、愛用の靴を手入れする20分間。
わずかではあるが、このたったの20分間が、日々ストレスにまみれ殺伐とした僕の精神を清めてくれる。穏やかにしてくれる。
Contents
リーガル靴の磨き方を簡単に紹介
20代の頃は、ジョン・ロブが僕の愛用靴でした。今思えば、よくもまぁ、あんな高級靴を背伸びして履いてたもんだなと。今の僕でも似合うかどうかわからないのに。
30を過ぎたあたりから、『リーガル』に替えたのは金銭上の理由からです。結婚し家族を養うことになったからには、自分の靴に10万なんてかけられない。
一足3万円前後で手に入る『リーガルシューズ』。
値段の割に優れた品質であると、そう気づくのに大して時間はかかりませんでした。
靴底のクッションは、「ふわり」と足裏を包み込むように柔らかい。足の収まりは大変素晴らしく、歩いててとにかく疲れない。
リーガルシューズの履き心地の良さは、他の高級靴に決して劣るものではありません。

値段のはる外国製の靴と比べても、リーガル靴は品質・デザイン共に決して見劣りはしていません。非常にコスパが高いと言えるでしょう。
以来、リーガルシューズは僕の足元を支える大切な存在となりました。この靴を長く使うために、こまめに手入れし磨き上げる。この記事を訪れてくれた皆様も、僕と同様、靴を大切に扱う方であると思います。
以下、僕流ではありますが靴の手入れ方法を紹介していきましょう。靴初心者の方には是非参考にしていただきたい。
1.まずは、しっかり汚れを落とそう
靴も人と同じで、何日も履き続ければ疲れが見えてくるものです。適切に手入れすることでハリとツヤを取り戻すことができます。

まずは、靴全体をしっかりブラッシングします。特にアッパーと靴底の間にはホコリが溜まりがちなので、ブラッシングでしっかり落としましょう。
靴磨きに使うブラシは、豚毛100%の専用ブラシであるべきでしょう。

ブラッシングとは、あくまで表面の埃を払い落とすだけです。たとえばトイレでオ◯ッコが散ったなどの本当の汚れを落とすにはブラッシングだけでは不十分です。汚れをしっかり落とすには、靴専用のクリーナーを使いましょう。

クリーナーを少量布にとり、引き延ばすように靴全体に塗っていきます。塗っていくことで、表面の汚れを浮き立たせながら拭き取ることができます。
ただし、塗りすぎには注意してください。シミの原因になりますから。

クリーナーを塗った後は、再度、清潔な布でしっかり汚れを拭き取ります。

2.靴クリームで革に栄養を与える
革靴は非常にデリケートで、こまめに手入れしなければ劣化が進みます。手入れを怠り続ければ表面が薄く色落ちしていきます。ヒビ割れも出てくるでしょう。そういった劣化は茶系の靴が良く目立ちます。
靴の色落ちやヒビ割れを防ぐには、靴に栄養を与えることがなにより重要です。栄養を与えるには専用のクリームを使います。靴手入れの基本ともいえる作業で、これなくして靴手入れの意味はありません。


これを丹念に革部分全体に塗り込んでいく。

実はこのクリームを塗りこむだけで、ある程度のツヤと色を取り戻せるんですよ。たとえば、

左側が手入れ前の状態です。右側がこのREGAL TY21 プレミアムデリケートクリームを塗り込んだ状態です。クリームを塗り込んだ右側のほうが、手入れ前の左側よりも明らかにツヤと色が増しているのがおわかりいただけるでしょう。

クリームを塗り終わった後は、クリーナー同様余分なクリームが残らないよう清潔な布で拭きます。
3.靴色に合わせたクリームを塗りこむ
他にも、ブラウン色とダークブラウン色のシュークリームを用意してます。これを塗り込む目的は、小傷を目立たなくするためです。

実は僕の靴、つま先に小傷がありまして、

この小傷を目立たなくするため、今回はダークブラウン色のシュークリームを塗っていきます。


しかしながら、あまり効果が感じられません。有色のシュークリームはあまり意味がないのかもしれません。
効果的な塗り方がわかれば追記します。
4.仕上げの磨き
少し乾かした後、今度は靴全体を乾拭きしていきます。ツヤを出すためです。その際、普通の布やタオルはおすすめしません。あまり光りませんから。
手軽で効果的なのがパンティストッキングです。パンティストッキングはキメが細かいので、サッと磨くだけで容易にツヤを出すことができます。買うのは少し抵抗ありますが。

結果、

見事に息を吹き返しました。磨く前はこんな感じにくすんでました。

また、ストッキングの代わりに専用のグローブクロスを使うという手もあります。


靴磨き専用のグローブクロスでも、ストッキングに劣らないほどのツヤを出すことができます。
5.防水スプレー
最後に防水スプレーを軽く吹きかければ終了です。

吹きかける際の注意点として、近距離で吹きかけるのはやめましょう。あまりに近すぎるとベトベトなりますから。
少なくとも50cm以上離して吹きかけましょう。
6.靴の形状を保つ最強グッズ
靴の中にシュードライを詰め込みます。

靴内部の湿気取りと抗菌が目的です。ただ、このシュードライがオススメかといえば、そうでもありません。靴に詰めれば湿気はきちんと取ってはくれるんですが、いかんせん、長持ちしない。

使えばわかりますが、すぐに「再生シグナル」がピンク色に変わります。青色が正常で、湿気がたまるとピンク色になります。こうなると半日以上天日干ししなきゃならなくて、とりあえずめんどくさい。
税込み ¥1,404と安いんですが、物足りなさ感がハンパない。手に入れるべきはやはり、『シューキーパー』でしょう。
1.湿気から靴を守る
杉素材のものは湿気を取り除く効果がある。
2.靴の型崩れを防ぐ
何も入れなければシワが深くなり、ヒビ割 れの原因になる。靴の型崩れが起こる。シューキーパーを入れておくことで当初のままの形状を保つことができる。
シューキーパーこそ、まさに、靴を守る最強ツールと言えましょう。
が、恥ずかしながら僕は持ってません。これまではシュードライを爪先まで押し込むことでシワを伸ばし、なんとか形状が保たせてきましたが、それももう限界です。
要りますね、シューキーパー。というわけで、僕は近々買います。
手入れされた靴は背筋を伸ばしてくれる
物持ちがいい人つまり、モノを長く大切に扱える人は、人も大切に扱うものだ。
逆に、平気で騙す・裏切る・傷つけるような人は、モノを粗末に扱う。
モノの扱いをみれば、信用できるか否かがよくわかる。
— 伴 (@patoriot82) 2017年7月9日
その人がモノを大切に扱ってるかどうかは、靴を見ればわかるものです。
手入れされた靴は背筋を伸ばしてくれる。どうしようもなく疲れた時も、足下の靴を見るだけで誇りを思い出させてくれる。
僕は、靴磨きこそ最も気高い趣味であると考えています。
追記
宣言とおり、シューキーパーを買いました。紹介しました商品と同じです。


税込¥6,264とそんな高くはなかった。

靴に差し込んで保管してるわけですが、湿気や抗菌だけではなく、シワもちゃんと伸ばしてくれるのが嬉しいですね。