東欧から来た娼婦に思う

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こんにちは、伴です。

 

世界では所得の格差が拡大し続け、持てる者と持たざる者へと2極化が進んでいます。

と聞けば、いかにも大きな話で自分とは無縁の世界の出来事に思われるかもしれない。しかしながら厳として貧困は目の前にある。僕らが気づいてないだけなのだ。

 

今回は、僕が貧困の悲惨さを初めて実感した出来事を綴りたい。ほろ苦くて忘れられない思い出です。

 

 

世界標準で見れば、僕たち日本人はラッキーな側にいる

日本は一応先進国。先進国で生まれ育った僕ら日本人はとても恵まれていると言えるでしょう。

 

今の日本社会は閉塞感や独特なやりにくさに溢れ、経済も上手くいってるかどうかわからない。息苦しくて仕方がない。恵まれているだなどと言われても、にわかに信じられない人も多いかもしれない。将来への希望も持てない方も多いし、日本を去りたい人も多いだろう。僕もその一人だから、よくわかる。

 

でも世界標準で見れば、日本という先進国で生活できるのは、それだけでかなりのアドバンテージだというのは間違いない。この点はしっかりと認識しておくべきだろう。

 

普通に暮してる限りにおいては、そのアドバンテージにはなかなか気付けないことでもある。島国ゆえに外部からの刺激がないため余計に気づかないのか。外国人の比率もまだまだ少なく、ほとんどの日本人には、異なる文化や考え方に接する機会は少ない。

 

今回は、僕が若い頃に経験したことを少し話そう。その話から、僕たちが日本人として先進国に生まれたってことは、少なくともラッキーな側にいる。このことを再認識してもらえればと思っている。

 

モルドヴァから来た娼婦

 

10年以上昔のこと。当時の僕は相当にめちゃくちゃな青春を謳歌していた。

 

当時は就職氷河期にもかかわらず、就活なんてまるで無視。何もしないままに大学卒業してしまい、当然ながら収入ゼロのニート状態に陥っていた。愛媛の実家に引きもるといっても、田舎には仕事などない。このままじゃマズいということで、職探しに東京までフラッと出ることにした。ほぼ無一文状態でだ。本当に、無謀だったと思う。そのかわり、東京に出たからには何でもやるつもりだった。

 

日雇い仕事、飲食店、パチンコ屋、風俗店の客引きなどなど、いろんなバイトをしたものだ。よくよく考えると、そんな仕事なら別に東京まで出る必要もなかったわけだが。

 

でも、それはそれで当時の僕は結構楽しかった。同じような境遇のバイト仲間たちと、毎日のように仕事終わりに安酒を浴びる毎日。

 

忘れられないストリート

その日も、なけなしのバイト代を散財するつもりで、いつものようにバイト仲間と酔っ払いながらフラフラと街を徘徊していた。その日は、たまたま見知らぬ町で飲んでおり、ふと気づけば少し怪しい雰囲気の路地に入っていた。

 

よく見渡せば、タイトな服を着た女がチラホラ目に入る。

 

(売春ストリートか?)

 

普段なら素通り過ぎるのだが、いつもとどこか雰囲気が違う。よく見れば、ストリートに立つ娼婦がチラホラながらに多国籍だ。いろんな肌の色、いろんな髪型、いろんな目の色のお姉さん達が立っている。

 

ネオン街の雰囲気との、あまりに似つかわしくないコントラストに、若干の驚きを覚えると同時に妙に興味をそそられた。

 

僕は昔から性病が怖くて、風俗にはあまり行かないようにしている。短絡的ではあるが、健康面には防衛本能が働いていた。しかし、この時ばかりは興味や誘惑のほうが勝ってしまった。

 

吸い込まれるような魅力の一人のお姉さん

明るい栗色の髪の白人のお姉さんに目が止まった。年齢は20代前半くらいに見えるが、外国人はよくわからない。暗闇の中でも目立つほどの明るい髪、力強いがどこかヤサグレた感のある青い目、まるで僕を見殺すかのような鋭い目つきが特に印象的だ。すごくキレイなお姉さんだった。

 

伴『Hello、Can you speak English?』

お姉さん『…a little』

 

僕はそれほど英語が喋れるわけじゃない。拙いなりにも、いろいろと話しかける。が、彼女は「知らんわ」と言わんばかりに、お構いなしに指2本立てる。2万円だ。

 

その日暮らしのバイトの僕には2万円など出せない。財布の中は1万円しかなかった。躊躇してると、相手に金がないのを察した彼女は僕に全く興味を無くしたようだ。あっち行けと言わんばかりにそっぽを向く。

 

酔ったせいもあったのか、僕も諦められない。友達に頼み込みその場で1万円貸してもらう。そのなけなしの2万円を握りしめ、改めて金髪のお姉さんと交渉する。

 

交渉は成立し、暗い部屋の中へお姉さんと一緒に入ることになった。不思議と興奮はない。ただ、暗闇の中でもクッキリと見える髪と、青くて力強い彼女の目力に釘付け状態だった。惚れてたのかもしれない。

 

お金は払ったが、彼女との行為に対してこだわりがあったわけではない。ただ、彼女とゆっくり話しがしたかった。外ではヤクザが目を光らしてるだろうし、ゆっくり彼女と話したいのなら、お金を払ってでも部屋に入る必要があったのだ。

 

伴『Did you come from Russia?(ロシアから来たの?)』

お姉さん『Yes』

伴『Really? I know that it is not Russian to be here.(本当に?ロシア人じゃないのは知ってるよ。)』

お姉さん『…Uh-huh.』

伴『Where?』

お姉さん『Moldova』

伴『モルドバか…(ってどこだっけ?)』

 

彼女は確かタチアナという名前だ。本名か偽名かはわからない。僕が話しかけるのが煩わしかったのだろうか、彼女はそそくさと下半身を脱ぎ始める。が、もっと彼女と話したかった僕はそれを制止し彼女を横に座らせた。

 

お姉さん(???)

伴『君と話したいだけだ。』

 

そんなことを伝えたと思う。彼女からすれば何もせずにお金が入るんだから、別に拒む必要はない。納得してくれたみたいだった。安心よりも、何もしようとしない僕が珍しかったのだろうか、この時、初めてしっかりと正面を向いて僕と目を合わせてくれた。

 

伴『いつ日本に来たの? モルドバってどんなところですか?』

お姉さん『……。』

 

僕の拙い英語ではうまく伝わらない。身振り手振りでなんとかコミュニケーションを取ろうと頑張ったが、それでも彼女はあまり反応してくれない。最初は僕と話したくないのだろうと思っていたが、実は彼女のほうこそ、あまり英語が得意ではなかった。

 

Your homeやモルドバをしつこく連呼する僕に、ようやく彼女も少しずつカタコトの英語(単語)?で答えてくれるようになる。

 

が、何を言ってるかわからない。母国語か英語かもよくわからない。ひどい英語と母国語を混ぜて話すのでチンプンカンプンだ。それでも、何度か微笑んでくれたり、少しずつ感情を出してくれるようになったのは嬉しかった。言葉のコミュニケーションがとれなくても、何か幸せなひとときだった。

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あまりにも急変した彼女

しばらくすると、彼女は一枚の写真を見せてくれた。家族の写真のようだった。彼女と、隣にいるのはお母さんか。

 

彼女が饒舌に喋り出したのはその時からだ。母国語だからチンプンカンプンだったが、さっきまでとはまるで違う、実に楽しそうだ。故郷が大好きなのがよく伝わる。

 

うんうん頷きつつ、視線を上げ彼女の顔を見た瞬間、思わず「えっ!?」と驚いた。彼女の力強い目力が消えているのだ。こちらを見殺すような鋭い眼光は消えている。涙を溜めて、今にも泣き出しそうな目だ。

 

ツン→ツンデレ→心を開いて饒舌に話す→鬱ぎ込む

 

彼女の態度の移り変わりに、人生経験の浅い僕はどう対処すればいいかわからない。その後の彼女は完全にふさぎ込んでしまい、ずっと体育座りをしたままだ。会ったばかりのふてぶてしさも、少しずつ見せてくれるようになっていた笑顔も、完全に消えている。なにかマズいことしてしまったのだろうか?

 

僕がいくらバカだとはいえ、何が引き金になったのかはなんとなく察しはついていた。でも彼女の英語力は僕以下。彼女の母国語は何語かもわからない。事情を聞こうにもそれ以上は無理だ。

 

その後も僕は、彼女の元気を取り戻そうと喋り続けたが、彼女の反応は消えたまま。時間も経ってしまったので去ることにした。それ以上声をかけようにも、適当な言葉が見つからなかった。

 

最期は立ち上がり、別れ際には優しく抱擁してくれたが、眼光の鋭さは消えたままだった。

 

あの子は何で泣いてたんだろう?

 

彼女の一連の様子が強烈な印象として残った。特に彼女の故郷モルドバと、笑顔で写った親子の写真が。

 

酔いなど完全に覚めてしまっており、彼女の事がどうしても気になった僕はネットカフェに転がり込んだ。(再び友達からお金を借りて)モルドヴァってどこだ?名前くらいは聞いたことがあるが、全く知らない国。どこにあるのかさえわからない。

 

調べていくうちに、モルドヴァという国についてポツポツとわかり始める。モルドヴァという国は、ルーマニアとウクライナの間に挟まった東欧の小国のようだ。貧しい国だ。かなりの貧困国か。

 

ろくに産業もなく、かろうじてあるのは農業だけ。東欧と聞けば貧困のイメージが強いが、モルドヴァはその東欧の中でも最貧だと言われている。東南アジアなどよりもずっと貧しく、まさしくヨーロッパの失敗国家といっても過言ではない国。

 

さらに調べていくと、モルドヴァの産業には闇があることに気づく。

 

売春婦の輸出…。ひょっとして、コレか?

 

売春こそ最貧国に共通する主要産業なのだ。貧困が極まれば治安が乱れる。治安が乱れれば、売春やドラッグが蔓延する。これは世界中どこでも当てはまる方程式みたいなもの。

 

おそらく、彼女は望んで日本に来たわけじゃない。ブローカーによって売られたのだろう。あの様子だと、親からも無理矢理引き離されたのかもしれない。あの涙と様子は演技だとも思えない。

 

母親の写真を見て泣き出したってことは、見た目よりもまだ幼かったのかもしれない。路上に立ってた時は綺麗なお姉さんに見えたが、体育座りで鬱ぎ込んだ時は子供に見えた。

 

売られたってことは、いつ故郷に帰れるかわからないのかもしれない。いや、もう帰れないのかも。あくまで勝手な仮説だけど、的外れではないはずだ。いやたぶん当たってる「故郷はどこ?」などと無神経な質問だった。

 

最貧国の悲惨な現状を綴ったレポートをネット上で次々と見ていくうちに、なんとも言えない気持ちになった。実際に、彼女が母親の写真をもって泣いてたのを見てしまったことが、妙にリアル感を増幅させる。

 

結局、何が言いたいのか

日本人は恵まれているのだ。最貧国の悲惨さ、今回でいえば東欧からの売春の輸出などなどを思えば、改めてそう思わざるを得ない。

 

日本人には自由がある。不自由だと思っているのは本人だけだ。仕事を変える自由がある。住む場所を変える自由もある。好き勝手発言する自由がある。学ぶ自由がある。信仰の自由もある。いつでもネットにアクセスできる自由もある。

 

何より、お金がある。自由とお金は同義だ。日本は近年貧しくなったといえども、一人当たりのGDPはまだ3万ドルを超えている。

 

ところが、貧困国の人達には何一つ無い。最貧国に生まれるということは、生まれながらに金から無縁だ。金がないのだから当然まともな教育など受けられない。学問の自由があるとて、金がなければ絵に描いた餅だ。

 

国自体にも金がないんだから、当然国民にも良い仕事など回ってこない。仕事を選ぶ以前に、仕事がなさ過ぎるので選ぶ贅沢なんて許されない。

 

要するに、金がないから自由もないってわけだ。自由は金があってこそ成り立つもの。

 

稼ぐためには手段など選んでられない。貧しい若い女性にとっては、自分の唯一の財産とも言える『身体』を差し出さなければならない。そこまでしないと金が手に入らないからだ。これが貧困国の現実だ。

 

そして、金持ちと貧乏人とでは、如何ともしがたい経済的な格差が確立され始めている。僕自身投資家なので、米国株を売買していても時たま思うことがある。

 

Googleの株価は現在800ドルで僕は簡単に売買している。最貧国で貧困にあえぐ人達にとってはその800ドルが半年分の収入であったりするのだ。僕の株式資産から上がる配当金が、彼らの年収に相当してたりする。この格差が、資本主義がもたらすシュールで残酷な現実だ。

 

日本人にはまだお金がある。そして自由もある。この日本って国は、やろうと思えば何だってできる国なのだ。僕らは、生まれながらに与えられたこのアドバンテージを、決して無駄にしてはならない。

 

最後に、僕の人生観を変えた一冊を紹介します。

 

コメント

  1. イマイ より:

    モルドヴァはヨーロッパの最貧国、中国・タイ・マレーシアに負けている。
    フィリピン・ベトナムと言ったところかなか・・・
    その国でも、中流以上の家庭は売られることはありません。
    親・本人が騙されたケースが多く、貧しくても自給自足で楽しんでいる子もいる。

    日本でも、子供の貧困がクローズアップされている。
    みんな豊がだからこそ、落ちこぼれる・話が合わないなど辛いことばかり。
    途上国の子供は、貧しくても笑顔を溢れている。

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プロフィール


管理人の伴です。

公務員でありながら公務員をこよなく嫌う社会不適合者。

ワーキングプア脱出のため、アレコレ考え実践しており、守備範囲は主に株式投資はじめお金に関すること。

若干貧しく育ったためか貧困問題にはやたらと敏感。コンプレックスの裏返しか。

【好きなもの】
MacBook、マクドナルド、コーヒー、カレー、自慢の腕時計、自慢のリーガルシューズ。

【嫌いなもの】
公務員、ヤンキー、スタバに来るうるさいオバはん。

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