前回のエントリー、最強の過労死ギルド|ブラック公務員の実情では、「公務員のブラックな実態」についてとことん述べましたが、これはべつに「世直し」とかのつもりで書きあげたものではありません。
僕自身「公務員の現状を世に知らしめることで、組織の健全化をはかる」だなんて高尚な精神は持ち合わせていないし、ましてや社会変革に向けた草の根活動なんてするつもりもない。
そんなのは僕よりも若い世代に任せます。
一つアドバイスするとすれば、
まず、ブラック労働を無くすには、今の社会システムのままでは絶対無理だということを強く認識しましょう。
ブラック労働を本気で無くしたいのなら、嵐のようにストを起こすなどして、「ブラック労働が成り立つ社会の仕組み」というものをぶち壊すことです。
「ブラック労働が成り立つ社会の仕組み」とは、前回にも述べたとおり、神風特攻隊(のような人たち)が幅を利かせていられる今のこの労働環境のことです。彼らを社会から叩き出さない限り、ブラック労働は絶対に無くなりません。
彼らを社会から叩き出すには法に則ってでは不可能。文字どおり「パワー」でしか成し得ない、ということをシッカリ認識してください。
でも残念ながら僕の関心はそこにはなくて、本来の意図は、我が国が『外貨を獲得する』うえでの「マーケティング戦略」です。
ではいきましょう。
ブラック労働マーケティング
およそ「人を不幸にするためだけにある」としか思われない「ブラックな労働」は、世界的にみても非常に珍しいものだと思います。まさしく我が国特有といっても過言ではないと。
「ブラック労働」とは、「滅私奉公」という究極の自己犠牲精神がDNAレベルで染み付く日本民族のみが共有できる価値観であり、「個人の幸福追求」をあたりまえとする外国人には、決して理解できないものでしょう。
無形文化財にも登録できるほどの「凡庸ならざる価値観」であると、僕は確信している。ガラパゴス化もここまで突き抜ければ、そりゃもう唯一無二の個性だろと。
希少なものには希少であるがゆえに価値が生まれるんです。
『KAROSHI』という単語が英語の辞書に普通にあるように、日本人の働き方は、ハードワークを超えた「精神崩壊を引き起こすレベル」の超ハードワークとして、英語圏でもしっかり認識されている。
「過労死文化」に外国人がここまで強く関心を示すのは、命を縮めるほどのストレスにまみれた日本の労働環境や、自殺するまで「今の仕事」にしがみつく日本人のメンタリティを全く理解できないからです。
「滅私奉公」は理屈じゃないからね。
「ニッポンのブラック労働」を必死に理解しようとするも、そもそも、この「滅私奉公」を理解できない外国人には到底理解が及ぶものではありません。
わけがわからないから、余計に興味がわく。
人は、「理解の及ばない価値観や文化」を目の当たりにしたとき、そこから目を背けることができないのです。摩訶不思議というか、なんとなく不気味な違和感が心の奥底に残り続けるというね。
もっとも、これは日本人からすれば不名誉も甚だしいことはでありますけどね。
こんなのが広まれば、例の「クールジャパン戦略」なんて台無しだろうし、負のイメージが定着すれば、将来的に「移民の定着」にも不都合が生じることでしょう。
国の恥部どころかデメリットでしかないわけで。
かといって、
改める気は、さらさらなさそうだ。
であれば、「ブラック労働」を恥じてひた隠しにするのではなく(どうせバレてるんだから)、いっそのこと唯一無二の「国民性」としてオープンにしたほうがいいと考えます。
ありきたりなものでは誰も見向きもしないというのがポイントですね。
せっかく世界から注目を集めているのであれば、これを単なる自虐ネタで終わらせてはもったいない。ここはむしろ商業的チャンスに繋げるべきです。
そう、「クールジャパン戦略」改め、
「ブラックジャパン戦略」
とでも名づけましょうか。日本固有の「ブラック労働問題」をコンテンツ化して世界にばらまくんですよ。
間違いなく外国メディアが食いつく。
コンテンツの発信方法
問題は発信の仕方です。
「コンテンツ」と一言でいっても、それはテキストベースのものから動画・映画・アニメなどの視聴するものやゲームコンテンツに至るまで多岐にわたりますからね。どれを選ぶかはとても大事。
海外で売るとなれば、英語の書けない日本人にはテキストベースは不適ですね。(そもそも英語でスラスラ書けるような人はブラック労働してないと思われる)
そこはやはり、「視聴用コンテンツ」か「ゲーム・コンテンツ」が最適でしょう。
とはいえ、「ブラック労働問題」は内容としてはかなりセンシティブなので、ありのままをコンテンツ化するとなれば、かなりの反発があると予想されます。
題材がどんなに面白くても、必ずや、利害関係のある国や広告元の企業などがよってたかって骨抜きにしてくるでしょう。
まぁ、こういうメチャクチャおもしろい作品も日本は過去につくってるんですけどね⤵︎
こういうのの進化版を作って積極的に海外にマーケティングをかけるわけです。
しかし残念ながら、映画やドキュメンタリーといった分野は、日本のコンテンツは絶望的につまらない。
ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれないは素晴らしい出来栄えですが、これはあくまで偶然の産物であり、こうした作品が継続的に生まれるとは期待できません。
※ちなみに、上記の邦画はAmazonプライム会員(年額3,980円)であればプライムビデオで普通に観れます。
それに、この映画が普通に公開されてるのは、対象が「超下請けの零細プログラミング会社」だからであります。
対象を国家レベルのハナシにまで膨らませるとなれば、必ずや国や企業からかなりの妨害が入ることでしょう。あれやこれやと口出しして、キモの部分を台無しにするに決まってる。
それ以前に、起用する俳優がジャニーズ事務所とかの雑魚レベルだと、コンテンツそのものにケチがつく。
であれば、コンテンツ化に際しもっともふさわしいのは『二次元アニメ』だろうと僕は考えます。
日本人の二次元コンテンツ製作能力は世界的にみても異様に高い
みなさんはあまり実感がないでしょうが、日本の二次元コンテンツのレベルの高さは異様ですよ。
映像技術もさることながら、登場人物の細かな感情の描写や、わびさびの効いたストーリー展開など、外国人が束になっても作れないものを普通にブチ上げてくる。
僕が大学の頃、就活もせずにドハマりしてたFF10シリーズですが、15年前のものですら、これほどのクオリティを誇っているのを忘れてはいけない。
「血の雨と白梅香」ってやつですね。るろうに剣心『追憶編』のアニメ版なんて、原作を完全に食うほどの出来栄えです。
※『追憶編』はdTV(最初の一ヶ月無料)で見放題です
というように、日本人のコンテンツ製作能力は、世界標準からみても頭一つ抜けているのであります。
「ブラック労働」をありのままにアニメ化なりゲーム化で描写して、マーケティングを仕掛ければ、必ずや世界でバカ売れすること間違いない。僕にその力があれば絶対やる。
日本は外貨を稼がなければ成り立たない国である
日本という国は、資源が無く食料自給率も低いため、諸外国からの輸入がなければ成り立たない国です。輸入するには、当然ながら、外貨がなきゃ払えない。
「憲法9条改正は戦争を合法化するのが目的である!」
と、一部のおバカな人たちが今だに騒いでますが、心配しなくとも、日本は戦争できる国じゃあないんですよ。
諸外国からの輸入に頼らざるを得ない以上、つまり補給のほぼ全てを諸外国に握られている以上、我が国はたとえ戦争をしたくとも戦争を起こすわけにはいかないのです。
弱腰に見えるほどに国際協調を第一に掲げているのは、そうしなければ成り立たないから。みんな(諸外国)にへーこら頭を下げなければ、輸入政策に支障をきたすからです。
日本が、この先も「豊かさ」を享受したいのであれば、今後も死ぬ気で外貨を稼がなければならないわけです。
まぁ日本は外貨準備高がかなりあるので、獲得できなくなったといって、今すぐどうこうなるわけではありませんけどね。しかしながら、準備高を崩すようになれば終わりだと思います。
十八番だった「ものづくり」が中国など新興国に奪われ、次に目をつけた「サービス業」もそろそろ限界が見えてきました。
日本の外貨を稼ぐ「力」は徐々に削がれてきている。
となれば、残された方法は、そりぁあもう「コンテンツ」しかないでしょうと。
幸いにして日本社会には、ブラック労働だとか「わけのわからない価値観」に満ちていますね。語れるネタは豊富にあるわけですよ。
既存の優れた映像技術や細かな表現力を武器に、これら「わけのわからない価値観」をコンテンツ化していけば、必ずや外貨を荒稼ぎするための突破口となるはずです。