以前、他部署の主任から言われたことが忘れられない。
「君は、会社側の意向というものをキチンと把握しているか?」
「会社の向かう先をしっかり見据えろ。その上で、これからの自分の立ち位置を決めるように。」
と、まあ意味深なことを語ってきたわけで。
今の勤め先は、おおよそ3チームに分かれている。
1.自分の才覚で成果をあげる純粋なる営業部隊
2.会社の意向を第1とする法人営業部
3.管理者および内勤さん
僕が属しているのは1。面々は腹立つくらい自己中だけど、クリエイティブさと根性は一級品の連中だ。
一体どこからそんな数字を引っ張ってくるのか?と驚くほどに、メンタルもタフで優秀な人たちである。※好きにはなれんけど
2と3は俗に言うマニュアル至上主義の社畜さん。言い方は悪いけど、それ以外に表現のしようがない。
わかるとは思うが、各チームの面々は互いに価値観が違っていれば意見も合わない。
僕に話しかけてきた主任というのが、2法人営業部のリーダーである。
(おまえの今後の仕事ぶりが(会社的に)評価に値するものであれば、来年の人事異動でオレの側に入れてやってもいいぜ?)
というわけだ。
「頑張ります。」と答えとけば済むのだが、
なんとも気の抜けた返事をして主任の機嫌を損ねたのは、会社依存丸出しの物言いに違和感を感じたから。
座して死を待つサラリーマン
つまりは、他の連中の自分本位でグレーな売り方を見習わず、会社の意向にはきちんと沿え、というわけだ。
仕事がグレーかどうかはおいといて、主任の言うことがまぁ「ド正論」なのは間違いない。
こうしたアドバイスが出るのも、主任という立場からすれば仕方ないのだろうけど、「会社側の意向にはキチンと沿え」という点に僕は少なからず抵抗がある。
それは、今の首脳陣からは経営センスのカケラも感じられないから。
現に、今期の決算は会社の成長性にデカい疑問符がつくもので、既存の古いビジネスモデルに固執し、何の手も打たず、他社に遅れをとった結果、次期業績は横ばいか下手すれば下だ。
これが続くようでは、いくら会社に忠実に従い、首脳陣から好かれたところで、所得増は見込めない。
現にその主任格の年収は500万円未満。
一方で僕の属するチームの、「手段を選ばない」方々の平均年収は500万にのっている。裏の商売を合わせれば、1000万はゆうに超える人もいるらしい。
にもかかわらず、この先も会社の意向に沿い続けろと?
あくまでも会社と運命を共にしろと?
社畜マインドの弊害を見たというか、とりあえず主任の仕事に対する価値観には賛同できない。
まるで、会社と社員は運命共同体ともとれる言い分には、ちょっと賛同できない。
座して死を待つ自営業者
サラリーマンならまだマシで、もっと恐ろしいのは自営業者だ。
自営業者といっても、皆が皆商魂たくましいタイプではなく、中には、ビジネスが尻すぼみになっていくのを眺めるだけで、そこから何の手も打たない人がいる。
否、打とうともしない人がいる。いるというか多い。
「あと何年もつかわからないし…。」
と、まるで人ごとのように彼らは語るが、後ろ盾や他の収入源があるのかというと、それもない。まさしく彼らの生計は今の事業にかかっている、というわけだ。
そんな彼らに共通するのは、
・投資を嫌がる(事業投資ね)
・変化を嫌がる
・アクションを嫌がる
仮にも自営で身を立てる人間が、これらを嫌がるとか意味不明もいいとこだが、現状上手くいってない人は、とにかくこの3つを嫌う。
投資するからには成果を100%出せ!と僕に詰め寄るが、ビジネスにそんな保障があるわけがない。
もちろん投資には金がかかる。金を出すに抵抗があるのもよくわかる。
でもそれはビジネスの証であり、サービスを提供する相手への正当な対価であり、尚且つ、
「おまえのおまえに対する本気度」を示すものでもあるんだ。
これは社畜マインド旺盛なサラリーマンにもいえることだが、尻すぼみの現状に甘んじるのは、はっきりいって死の行軍だ。
彼らは言う。「景気が悪いからだ。」
じゃあ聞くが、景気が悪いからといって、そのままくたばるのはアリなのか?
現状うまくいってないのであれば、行軍から抜け出すために、何か手を打たなければならない。
そこを恐れていては(とくに投資を嫌がるようでは)話にならない。天地がひっくり返ろうとも、今の現状は変わりやしない。
本当に、死ぬまでそこに座り続けるつもりか?と思い、ついつい口に出してしまうのは、僕の余計なお世話なのか。
世間の連中は「あ〜そうでっか」と淡白に切り上げるが、そのほうが僕には違和感がある。