商談の際に非常に悩ましいのが、「とりあえず、検討します。」「お話はわかりました。資料だけ置いてってください。」と言われた時ですよね。
いかにも日本人的な程のいい断り文句です。
とりあえず「興味ない」「要らない」のだけど、それをストレートに言っては相手を傷つけそうで言えない。「NO!」とははっきり言えない。
そうした日本人気質から出た言葉でありましょう。それはある意味、相手の優しい配慮なのかもしれませんね。
こうした場面には、営業してれば嫌という程直面します。しかも高頻度で。
この場合、我々営業マンはすごすご引き下がるしかないのでしょうか?
今回は、この手の場面においての効果的な切り返しを述べてみます。ではいきます。
まずは御礼をいう
こうした場合、まずは御礼を言うのが定石です。
とりあえずはこちらの提案を聞いてくれた上で、「検討します」と相手さんは仰ってくれている。門前払いされなかったし、無下にも断られなかった。
そのことに対しては、素直に御礼を述べなければなりません。
よくやりがちな良くないパターンが、「でも」とか「いや」といった逆説で切り返すこと。こうした接続詞で切り返した場合、相手を否定することになり、相手さんと対立構造ができやすくなります。当然、相手方からの心象も悪くなります。
セールスにおいては、相手の意見を否定して売れることはほぼありません。説得して売れたとしても、相手が本当に納得していない以上、「押し売りされた」と捉えられかねないため、後々クレームの要因にもなります。
クレームの種を蒔くくらいなら、ハナから売るべきではありません。
「何を検討されるんですか?」はあり?
「何を検討されるんですか?」は、セールスの切り返しでよく使われる手法です。
が、未熟な営業マンがこれをやっても状況は好転しません。
かつて僕もこの切り返しを何度か試してみました。グウの音も出なかったのは、「いや〜、伴さんは営業されてる。だったら、おわかりでしょう?」と返された時です。
要は、(必要ないと言ってるの。みなまで言わさないでよ。)というわけです。こんなこと言われたら、すごすご帰るしかありませんよね。
営業経験豊富でゴリ押し得意なトップセールスマンであれば、持ち前のオーラで押し切れるんでしょう。
でも、皆がみなそういうタイプではありませんから、もう少し誰でも再現可能なものを考えてみました。
ヒアリングにつなげられるような切り返しとは
相手方の「検討します」「時期が来れば、こちらから連絡します。」という返答に対しては、最初に述べたとおり、まずは御礼を述べること。
その上で、その後なるべくヒアリングへとつなげられる切り返しを考えましょう。
(あ、そうですか、ハイハイ)とそそくさ帰るのではなく、相手方がこちらの提案を受け入れられない要因を探らなければなりません。
貴重な時間をお互いに割いているわけだから、手ぶらで帰るのはもったいないです。
「今回、突然の営業のお電話でしたからね。」
といった具合に、軽めに会話を続けましょう。その上で、
「僕のような営業って、結構来てると思うのですが、セールスを受けて何か嫌な思いをされたことありますか?」
といった切り口で、相手方になるべく事情を話しやすいような雰囲気をつくっていくことです。
そうすれば、
・今忙しくて提案を受けても検討できる状況にない
・無神経なセールスが多すぎて怪しんでいる
・過去にこんな酷い目にあった
とかの思わぬ情報を聞き出せることにもつながります。
人は十人十色なので、全てがこうとは言いませんが、営業における一つの参考としていただければと。
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