昨年は営業本を10冊読みました。
大した冊数ではありませんが、とりあえず目に付いたものの中から、参考になりそうなのを都度ポチってきました。
結果、タメになったと思うのは2冊だけ。
残りの8冊は表面上のテクニックやマニュアルに終始する内容で、実際の営業活動に活かせるものではありませんでした。「参考程度」で終わってます。
そもそも営業は生身の人相手に提案する仕事であり、他人がつくったマニュアルやテクニックで上手くいく類のものではありません。
「アポの繋げ方」だとか「効果的なクロージング」とか、上っ面のテクニックのみを知ったところで、正直大して成果は上がらないと思います。
セールスで重要なのは、相手の顧客心理をどれだけ汲み取れるか。こちらの提案を、相手の抱える不安や恐怖、優越感、欲望といった心理にいかに沿わせられるかです。
相手の抱える「困りごと」「悩み」を解決できる手段がこちらにあることを、相手に匂わせること。これがセールスの本質です。
本質を知らなければ、日々の活動も変わりようがありません。
今回は、僕自身が読んできた中で、「これはタメになるな」と感じる営業本2冊を勧めたいと思います。
読めば直ちに成果が上がるなんてことはありませんが、
これらを繰り返し読み、そこで得た知識を(できる範囲で)日々の活動に落とし込めば、何らかの「ポジティブな変化」は必ず起こるはずです。
私はどうして販売外交に成功したか|フランク・ベドガー
フランク・ベドガーは保険販売において全米No.1を勝ち取ったセールスマンです。故人です。
貧しく殺伐とした母子家庭で育ったせいか、フランク・ベドガーは無愛想でひねくれた青年に育ちます。
当初はプロ野球選手として頑張ってましたが、不幸にもプレー中に腕を折り、あっさり解雇。
故郷に戻り職を探すものの、つぶしの効かない野球人生では、大した仕事にありつけません。しぶしぶローンの集金人の仕事に就くことになりますが、あまりに安月給のため持続不可能。
どん底状態のフランク・ベドガーは、保険セールスの仕事に希望を見出そうとします。
が、セールスを始めてすぐに、厳しい現実を思い知ることになります。
暗い幼少期のせいで笑顔や愛嬌とは無縁。無愛想。さらに人前で話すことすらもおぼつかない。こんな自分に、セールスなんて勤まるのか?
自分の不甲斐なさに、途中何度か挫折してしまいます。
が、その都度なんとか立ち上がり、並々ならぬ努力でトライ&エラーを繰り返し、
やがては、保険セールスの全米トップまで登り詰めていく。
この本には、そうしたベドガー自身の営業活動が事細かく記されています。
どちらかといえば、営業における「心構え」といったメンタル的な内容だと感じました。
翻訳家が優秀なんでしょうね、物語風でおもしろくスラスラと読みやすい一冊です。
セールス戦略|ダン・ケネディ
「セールス戦略」は完全なるビジネス書です。ダイレクト出版の目玉商品ともいえる一冊なので、当ブログの読者であればご存知の方も多いのかなと。
ダン・ケネディは有名ですよね。
ダイレクト・レスポンス・マーケティング(DRM)の第一人者で、意識高い系のビジネスマンや起業家さんの間では有名です。
この「セールス戦略」は営業手法に特化しており、DRMに関してはほぼ述べられていません。
この本、正直レベル高いです。営業経験のない方は読んでもイメージできないと思う。
人の購買心理がこれでもかというくらい綴られており、さらに、相手の心理に沿わせた効果的な営業活動(ダン・ケネディの奥義)が、これまた徹底的に綴られています。
怠惰・甘え・妥協といったセールスマンをダメにする要素を否定しており、セールス活動において、徹底的な知的労働を求めています。
凄まじいの一言。
僕自身、本書の内容をどうやって・どこまで自分の行動に落とし込めるか、考えただけで吐きそうになります。
とはいえ、「多くの人に莫大な富をもたらしてきたセールス手法」であるのは間違いなく。この本にある内容を実行にうつせれば、嫌でも成果は上がることでしょう。
本を読むということ
とくにビジネス書なんかを読んでると、
(この人だからできたんだろう)(こんなの自分にできるわけがない)
といったことが、よく頭をよぎると思います。
そこまで偉業を成し遂げられたのは、著者自身に才覚があったからだろと。どうせ才能もセンスもない自分には無関係だろうと。
それ違います。
成功者と僕らを隔てる「差」は、
・未来をより良くしようと、知識を日々の行動に落とし込めるか
・抱える問題を単に眺めるだけで、何も変わらないまま惰性で日々を過ごすか
たったそれだけなのだと僕は考えてます。
「偉大さ」は選ばれた人たちだけにあるものではなく、僕ら一人一人の中にもちゃんとあるのだから。