「テイクアウェイ・セリング」という販売手法を仕事に取り入れてるんですが、
これがなかなかに効果がありまして。
これを会話に盛り込むことで、成約率がグンと上がることに気づきました。特に「買うべきか?買わないべきか?」と迷っている方にはバッチリはまりますね。
実は売られていなかった
と悟ると、「かえって気になる=手に入れたくなる」といった心理が人には働きます。
テイクアウェイ・セリングを使うことで、こうした心理を煽り、上手く購買意欲につなげることができるのです。
とはいえ、闇雲にやればかえって胡散臭さが出るので、そこには多少のコツが必要です。
今回はこの「テイクアウェイ・セリング」という販売手法について、僕なりの使い方を述べてみましょう。
「テイクアウェイ・セリング」とは?
ダイレクト出版のメルマガ等を購読されてる方であれば、ダン・ケネディという名をよくご存知でしょう。
ダン・ケネディこそダイレクト・レスポンス・マーケティング(DRM)の第一人者であり、この「テイクアウェイ・セリング」こそは彼がよく用いる営業手法です。
並々ならぬ効果があることも実証しており、そのズバ抜けた実績から「億万長者メーカー」との呼び名も高い、全米でも指折りのマーケッターです。
「テイクアウェイ・セリング」とは、希少性をうたった販売手法のこと。
「こうした優れたサービスは、残念なことに、あなたには手に入らないかもしれない」
そう思わせることで、相手の欲求を刺激するテクニックです。
よくある簡単な例でいえば、
「凄く面白いことがあってさ。実はオレ10万も稼いだわ。」
「あ、でもごめん、やっぱ今は言わんとくな。」
なんて締めくくられると、いや聞かせろよとなるじゃないですか。余計に気になる。
こうした人間心理を利用するのが、テイクアウェイ・セリングです。
プッシュすればするほど抵抗するのが人の心理で、敢えて「手に入らない」と思わせることで、逆に欲求を煽るわけです。
男性が女性を誘う場合にもよく用いられるので、ピンとくる方も多いでしょう。
情報商材の販売において「近々値上げします」などと煽ってるアレも「テイクアウェイ・セリング」の一つですね(こうした使い方は僕は嫌いですが)。
「手に入らない」のがわかると、逆に執着心が芽生えます。
「期間限定」などとうたわれ、今買わなきゃマズいのではないか?と妙に焦燥感に襲われたなんて経験、みなさんにもおありでしょう。
こうした人間心理を上手く付き、販売まで結びつける手法が「テイクアウェイ・セリング」です。
対面販売における使用方法
いくら効果があるとはいえ、闇雲に発動しては寒いだけです。
とくに対面販売においては、扱い方を誤ればかえって胡散臭さが出てしまいます。そうなれば、売れるどころか信頼をも失いかねません。
「テイクアウェイ・セリング」を発動するには、ある条件を整わせる必要があります。
1.明らかに必要としてない相手にはやらない
そもそも必要としてない相手には売り込んではいけません。
相手が必要としているか?していないか?は、少し話せばわかるはずです。必要としていない相手に気張って「テイクアウェイ」したところで、「あっそう」で終わりますよ。
相手が明らかに欲してない場合は、「要らない理由」をヒアリングするにとどめるのが最善です。
ヒアリングすることで別の気づきが得られるかもしれませんし、何も得られないのであれば、さっさと退散すればよろしい。
去り際の礼儀は忘れずに。
2.欲してる人にはすぐに売る
稀ではありますが、「欲してる人」に出会える場合があります。
その場合は堂々と売ってください。売って終了です。ヘタな小細工は要りません。
3.話を聞いてくれる人には?
ビジネスや営業活動されてる方はおわかりでしょうが、提案に耳を傾けてくれる人というのは非常に有り難い存在です。
営業かける側の心理としては、もっと良い提案ができないかな?と、相手の利益に更に貢献したくなるものです。
とはいえ、それはあくまで「ただ単に話を聞いてくれてる」という事実があるだけ。
(本音は要らないけど無下に扱うのはなんか悪いから)との心遣いから、といったパターンも多いです。生粋の京都人がそんな感じでしょうか。
その反応は、興味があってのことなのか?それとも、単なる気遣いからなのか?
どちらであるかは、少し話せば見極められます。
気遣いからとわかれば、相手の優しさに感謝しつつ速やかに話を切り上げることをお勧めします。長居するのは互いの幸せになりません。
興味を示しつつ迷ってる人
「興味はあるけど迷ってる」なんて人は見込みがあります。
ベネフィット
マーケティング用語として使われ、その定義は、「顧客が、商品(サービス)を購入することで、得られる利益」。
もっと言えば、「顧客が、商品(サービス)を購入し、使うことで得られる ”未来像” 」。
要は、お客さまがその商品を購入する事で、どんな良い事が待っているのか。
こちらの提案も受け入れてくれ、ベネフィットもきちんと認識している。それでも迷いを払拭出来ず、購入に踏み切れない。
こういったタイプこそ、立派な見込み客です。よく言われるのが、
「とりあえず考えさせてくれ」
営業の現場ではよく聞くセリフですが、これに期待してはいけません。
お客さんはまず考えません。
何の手も打たずにその場を後にするのは敗北と同じです。次に会えたとしても相手は冷めてるので、成約までのハードルは上がります。
「考えさせてくれ」というセリフが出るということは、「出来れば買いたくない」との意思表示と捉えてください。
こうしたセリフが出るのは、「欲しい」よりも「とりあえず今は要らないかな」との気持ちが勝っているからです。でも多少は欲しい気持ちがあるぶん、無下には断れないと。
「はいはい。検討してください。」などとルンルン気分で何も対処せず後にすれば、相手に断る理由づくりの時間的余裕を与えるだけです。
こうした場合こそ、「テイクアウェイ・セリング」の出番です。
「このプランはあくまで本日限りのもので、早急にご返事いただかなければ白紙になります。明日以降はこの割引は消えてしまいます。元値での提案に戻ります。」
と、まずは釘を刺す。
そうすることで、相手には(今決めなきゃ手に入らない)との「ざわめき」が心に生じます。
その「ざわめき」を上手く付くことで、相手に迷いを払拭させ、決断への背中を押すことにつながるのです。
「テイクアウェイ・セリング」を使う場合の注意点は、
・まずは相手に抱えている問題点を認識してもらう
・提案を受け入れることで解決できる=「ベネフィット」があることを認識してもらう
もちろん、その場で即決できずに期日を回る場合もあるでしょう。
その場合は、無闇に前回の割引価格を提示してはいけません。信頼を失います。
必ず、割引でない元値を提示すること。なんとか割引いてくれと頼まれたにしても、必ず、前回価格より上を提示することです。
人間心理を利用するといえば聞こえは悪いですが、本記事で述べた「テイクアウェイ・セリング」含め、より効果のある販売手法を知りたければ、このダン・ケネディの著書をオススメします⤵︎

ダイレクト出版の書籍は質の高いものが多く、このセールス戦略は同社の書籍の中でも評価の高いものです。
読むほど新たな気づきが得られるのは間違いない。
特に営業職の方・ビジネスに興味がある方などは、自分の販売手法を見直すには絶好の一冊です。より高みを目指す方には必読ですね。