これまで積み上げてきたキャリアを手放し、
再び新たなキャリアを築いていく。
…はい。
「自分の人生は自分で選択する」といったニュアンスが感じられ、どこか自由な響きがあります。
聞こえは良いのですが、転職においては、ほとんどの場合、それほど華々しいものではないというのが現実です。
仕事を変えるというのは、基本的には、並々ならぬ労苦を伴うものであります。非常に重たい。
ネット上には「転職」を煽るサイトで溢れていますが、転職は決してカジュアルに決断して良いものではないということだけは肝に命じておいてください。
景気の良い悪いはさておき、たしかに今の時代、仕事自体は世の中溢れかえっています。求人すごく多いですよね。
溢れかえってるとはいえ、全く同一の仕事なんてものはありません。
たとえ同じ業種や業務であれ、場所が変われば一から全てを学び直さなければならないのは言うまでもないと。業種が違えばなおさらです。
これが「転職」です。
「ゼロスタートを切る」というのを甘く見てはいけません。
最初は「暗闇を這いずり回る」かのごとく泥臭く取り組まなければならないし、そうした当初の覚悟や気合いを、最低1年くらいは持続させなければならないのです。
当然ながら、従来の価値観を180度変える等々、それまでのプライドを全てかなぐり捨てる必要にも迫られるでしょう。
とにかく、転職後にはとてつもないストレスと苦労を伴います。そこをキチンと乗り越えられるか否かで、その後の命運が決まっていくのです。
まさに人生を左右されるほどのインパクト。
無闇に「転職」するなど、人生をギャンブルに晒すようなマネをしてはいけません。
今の仕事が嫌なのはわかりますが、環境を取り替えて成功させるには、それこそ慎重にことを進めなければならない。それまでの仕事を改善するよりもはるかに難しいことなのです。
今回は、実際に転職した僕が、入社前に実際に起こした行動を書き綴ってみます。
これから転職しようとされる方には是非とも参考にしていただきたい。ではいきます。
現状の不満点を徹底的に洗い出そう
そもそも何故あなたは「転職」したいのか?
まずは動機をハッキリさせること。動機が中途半端ではロクな転職はできません。
「今の仕事が嫌だから」「しんどいから」「退屈だから」といったように、動機があやふやなうちは転職しないほうが身のためです。
どうか今の仕事にしがみついてください。
繰り返しますが、転職はそれほど甘いものではありません。
とくに今携わっている仕事で芽が出てないような人が、いくら仕事を変えたところで、そこから都合よく芽が出るなどとは考えにくいですよ。まぁ仕事には向き不向きがあるので一概にはいえませんが。
厳しいことを言いますが、後ろ向きな態度のまま転職するのであれば、今一度冷静になり、思いとどまることを勧めます。
仕事を批判する前に、自分の勤務姿勢はどうであるのか?今一度現在の仕事と真剣に向き合うことをお勧めします。
「あり方」というものを、今一度見つめ直してください。そうした上で再度、今の職場での「至らぬ点」を見出し、再度キャリア形成を試みてみましょう。
感情のおもむくまま事を急いては、ロクな結果を生みませんから。
そもそも仕事が上手くいかないのは仕事内容のせいではなく、あなたの「マインド」が上手く育っていないのが原因なのです。
仕事に不満があるのならば、環境ではなく、まずは自らの心のうちに目を向けて見るべきです。それで改善することも大いにあるでしょう。
とはいえ、無理な時はどうしても無理。
では、転職を考えるのはどういった時であるべきなのか?
僕の考えるところでは、
1.業務内容があまりに過酷で、このままでは心身ともに健康を害する。
2.収入が低すぎて生活が成り立たない。
3.なりたい理想の自分像を諦めきれず、今の仕事では永久に見出せない。
4.手に入れたい「スキル」が今の仕事では手に入らない。
1や2のように、やむを得ない場合であれば、転職を試みるのはありだと考えます。仕事はあくまでも生きるための手段であり、健康面を害してまでしがみつくのは本末転倒です。
それに生活が成り立たないような給与水準であれば、少しでも給料の高い業界に入り直すほうがメリットが高いでしょう。
そうした場合であれば、転職を視野に入れるのも大いにアリだと思います。
3や4は動機としては少々青臭いですが、こうした点に妥協できずに転職する方は多いと思われます。
チャレンジすることに生き甲斐を感じるタイプですね。僕がこのタイプです。
どうしても納得いかない。チャレンジしないままでは後々後悔すると、何年も悶々とし続けているのであれば、新たなスキルを手に入れられる道に進むのもアリでしょう。
が、ここで注意しなければならないのは、今の仕事で十分に活躍し評価されているかどうか?であります。
今もいい加減な態度で責任もロクに果たせていないのに、仕事を変えたところで上手くはいかないのは目に見えています。
さらにもう1つ。
次の新たな仕事内容を事前にどれだけリサーチしているか。
内定獲得しても安易に飛びつかない
今の時代、内定を獲得すること自体はそれほど難しいことではありません。
資格・スキル・経験年数が要る仕事は別として、そうではない仕事、俗人的な能力や単純作業を求められる仕事は結構すぐに決まります。
たたとえば営業職や、特別なスキルを要しない肉体労働系の仕事。こういった仕事であれば内定獲得へのハードルは高くはありません。やる気とコミュ力を証明できればすぐに決まりまることでしょう。
あなたの今の経歴が十分に通用する仕事も必ず見つかります。それほどに今の求人需要は高く、転職へのハードルはかなり下がっています。
仕事をお探しであれば、僕はワークポートと
MIIDAS(ミイダス)をお勧めしています。僕自身がアッサリ内定を獲得できたのがこの2つだからです。
両者は転職エージェントがとにかく優秀です。とくにワークポートに至っては、まず履歴書・職務経歴書からキチンと整えてくれ、それをもとに自分に見合った案件をスクリーニングし抽出してくれますので、不向きな会社に当たる可能性はグンと減るでしょう。
やりたい仕事は必ず見つかります。
見つかるとはいえ、安易に飛びつくことだけは絶対にやめてください。
その仕事がどういったものか?を、飛びつく前にまずは事前にしっかり把握しなければなりません。これは転職における鉄則です。
把握するといっても、それは会社のウェブサイトを熟読するとかサービス内容をネットで調べるとかの低次元のものではありません。
その会社での仕事内容が実際にどんなものか?を事前に経験すること。商品やマーケットをいくら読んだところで何もわかりませんから。
業務内容の95%は、実際に経験しないかぎりは絶対にわからないし見えてはこないのです。
必ず、入社前に数日のインターンを申し出ること
入社前のインターンは絶対に必要です。
こうしたことを設けている会社はほぼ皆無でしょうから、ぜひとも申し出てください。
面接官は現場に出てない管理職側の人が多いので、彼らの口頭説明だけでは仕事の全容はわかりません。それを鵜呑みにしてしまっては、いざ入社した時に理想と現実の大きな剥離に悩まされることになります。そして、入社してからでは遅いと。
僕自身、実際に入社前に3日ほどインターンを申し出ました。
3日間、現場の方について回りながら現場を見せてもらいました。自分にできるかできないか、向いてるか向いてないかを精査しました。
これならチャレンジできるだろう、ということで結果的に入社を決意したわけですが、それでもマーケットの事前予想と現実に剥離があること業務内容の違いに気づかされる毎日です。当時は見えなかった壁が至る所にある、ということにも気づかされる毎日です。
今はなんとかクリアできてますが、皆さんには、安全マージンとしてインターン期間をせめて1週間程度設けることをお勧めします。
研修的な意味合いを込めて、最低1週間、社内における(なるべく優秀な)社員について回りながら業務内容やマーケットにおける実情というものをしっかり聞き出すこと。
どの会社にも必ず良い面悪い面あります。良い社員も悪い社員もいます。
それら全てひっくるめて、自分にできるかどうか?馴染めそうか否か?をきちんとイメージしながら、脳に汗かくほど慎重に考え抜くのです。
今の仕事と比較しながら、良し悪しをしっかりあぶり出していく。今の仕事のほうが良いと判断できれば、そこで踏みとどまることができます。
ここさえ怠らなければ、あなたの転職はより成功率が上がるでしょう。
あなたのより良い働き方を願って。